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新型コロナ「興行中止保険」適用困難か 支払い巡り裁判も

プロ野球のオープン戦も無観客(写真/共同通信社)

 新型コロナ問題の収束の兆しはまだ見えない。万単位の人々が集うスポーツ観戦以外でも、政府の自粛要請に応じた中止や延期が相次いでいる。小林旭や橋幸夫など、大物歌手の歌謡ショーを全国各地で手掛ける夢グループ代表の石田重廣氏が語る。

「お客様の多くが60~80代であり、コロナウイルスの影響が大きいことを考慮して3月中の全66公演を延期しました。求めがある場合は返金するという対応です。チケット総額は約5億円ですが、うち2割が返金となった場合は1億円の損失です」

 災害等による大規模イベントの中止に備え、損保各社は「興行中止保険」を販売するが、今回は適用が困難なケースが多くなりそうだという。

「保険金が払われるかどうかは、個別の保険契約書や約款によります。新型コロナの感染拡大が保険会社の免責事由にあてはまるかどうかは解釈が分かれ、自粛はあくまでも政府による“要請”に過ぎない。支払いを巡り裁判になることもあるかもしれません」(弁護士の福岡隆行氏)

 たとえウイルスの感染拡大を止めることができたとしても、“失われたカネ”を巡る戦いは続く。

※週刊ポスト2020年3月20日号

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