ビジネス

西武鉄道 女性視点で開発した新型車輌が看板列車になるまで

妹島和世さんがデザインした西武の新型特急。これまでのイメージを覆す鉄道車両と話題に

妹島和世さんがデザインした西武の新型特急Laview。これまでのイメージを覆す鉄道車両と話題に

 年度が新しくなるタイミングにあわせて、心機一転を測るのは新入学や新社会人だけではない。ダイヤ改正をおこなう鉄道会社も同じだ。とかく男性の意見ばかりが反映されがちな鉄道運営に、女性の目線を意識的に取り入れてきた西武鉄道は、ダイヤ改正でさらにその路線をすすめる。ユニークな丸みを帯びた先頭車両を始め、見たことがないと言われた001系「Laview(ラビュー)」開発やスマイルトレインの取り組みなどについて、ライターの小川裕夫氏がレポートする。

 * * *
 ダイヤ改正は、鉄道ファンにとって一大イベントでもある。ダイヤ改正により、新たな鉄道車両が登場したり、新駅が開業したりするからだ。特に、大幅にダイヤが改正される3月と9月は落ち着かない。

 例年と同じく、鉄道各社は今年3月もダイヤを改正する。今春のダイヤ改正の目玉は、何と言っても常磐線の全線復旧に関連した動きだろう。新型コロナウイルスの影響により、復旧イベントの取り止めが相次いで発表されているが、それでも常磐線が全線復旧を果たすことに沿線自治体は大きな期待を寄せる。特に、茨城県・福島県にとって常磐線は経済・観光面での影響力が大きく、全線復旧は都市の活性化につながる。

 また、1971年に開業した西日暮里駅以来となる山手線新駅の高輪ゲートウェイ駅の開業といった大きな話題もある。

 今春のダイヤ改正で見逃せないトピックは、ほかにもある。そのひとつが、西武鉄道池袋線を走る全特急が、001系「Laview(ラビュー)」へ切り替えられることだ。

 東京・池袋駅と新宿駅をターミナルにする西武鉄道(西武)は、東京の多摩地方や埼玉県の所沢・川越・秩父といった都市を結ぶ。これまで西武は地味なイメージが強かった。西武といえば人気球団・西武ライオンズの活躍の方がむしろ目立つぐらいで、それだけに鉄道会社としても沿線外の人たちに訴求できる”何か”が必要だった。

 西武が沿線外から誘客するために、それまで何もしてこなかったわけではない。西武は1969年に西武秩父駅まで延伸開業。その際、秩父方面への観光需要を取り込むために特急列車「レッドアロー」号の運行を開始している。「レッドアロー」号により秩父は観光地として人気を高めた。

 そして、1993年には2代目の「ニューレッドアロー」号が登場。「ニューレッドアロー」号は、長らく西武の看板列車として活躍した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

第1子を出産した真美子さんと大谷(/時事通信フォト)
《母と2人で異国の子育て》真美子さんを支える「幼少期から大好きだったディズニーソング」…セーラームーン並みにテンションがアガる好きな曲「大谷に“布教”したんじゃ?」
NEWSポストセブン
俳優・北村総一朗さん
《今年90歳の『踊る大捜査線』湾岸署署長》俳優・北村総一朗が語った22歳年下夫人への感謝「人生最大の不幸が戦争体験なら、人生最大の幸せは妻と出会ったこと」
NEWSポストセブン
コムズ被告主催のパーティーにはジャスティン・ビーバーも参加していた(Getty Images)
《米セレブの性パーティー“フリーク・オフ”に新展開》“シャスティン・ビーバー被害者説”を関係者が否定、〈まるで40代〉に激変も口を閉ざしていたワケ【ディディ事件】
NEWSポストセブン
漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ
「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン