いつ起きるかわからない大地震、毎年のように日本列島を襲う台風――大きな災害が増えている昨今。危機管理意識を高めることは必須。そこで、過去の災害ではどんなことが起きていたのか、その事例と対処法を紹介する。
【教えてくれたのは…】
防災アドバイザー・地曵美香さん/危機管理教育研究所認定講師、千葉県災害対策コーディネーター、ポリ袋料理研究家、食育アドバイザー。防災のアドバイスや災害食教室を開催。
◆コンビニやスーパーで1週間、食料の買い出しができなかった
2019年10月の台風災害では支援物資が3日以上届かない場所が多数あった。物流機能の停止で約1週間、スーパーやコンビニでの食料購入が困難に。買い物に3時間も並び疲労困憊した人々も多い。
「なんといっても普段からの備えが重要。特に小さなお子さんや高齢者、要介護者のいる家ではなるべく多めに備蓄しておくとよいでしょう。内閣府では7日分の備蓄を推奨していますが、専門家は今後起きるかもしれない大地震に備えて、10日分の備蓄をすすめています。
缶詰やレトルトに加え、普段の食料を少し多めに購入し、期限切れ間近に使用して買い足すローリングストックがおすすめです」(地曵さん・以下同)
◆車庫が電動扉で車が出せず、避難できなかった
電気は現代社会のライフラインの要。停電になると生活の機能も低下し、戸惑うことが多い。特にオール電化の家では、停電対策が必須課題。命にかかわるケースもあるので備えは万全にしたい。
「電動車庫などは、緊急時の手動切り替えボタンなども装備しているので、あらかじめ確認・手動訓練しておくことが重要です。洪水時などの車が使えない場合も想定し、徒歩避難や在宅避難など多方面で備えておくとよいでしょう。
また、台風など事前に予測できる災害の場合は、明るいうちに避難をするよう心がけましょう。避難する際は、通帳や証券などを持って出ることも忘れずに」
※女性セブン2020年3月26日・4月2日号