コロナウイルスの猛威は「51年ぶりの大記録」にまで及びそうだ。プロ野球は3月20日に予定されていた公式戦開幕の延期を発表した。そのため、巨人・坂本勇人(31)の「史上最年少2000本安打」に“黄信号”が灯っているのだ。巨人番記者が語る。
「昨季までに1884安打積み上げた坂本は、7月18日までに116本を打てば、榎本喜八が1968年に打ち立てた史上最年少(31歳7か月)での2000本安打達成記録を塗り替えられる。開幕延期がなければ7月18日まで99試合の猶予があったが、4月中旬まで延期されて80試合前後まで減れば、1試合平均1.45安打、打率3割6分以上をマークしなければならない。かなり厳しい数字になってしまった」
ただし、データをさらに細かく分析すると、一縷の望みが見えてくる。
榎本が1500安打を放ったのは27歳9か月。そこから500本を積み上げるまで3年10か月かかった。一方、坂本は2017年に28歳6か月で1500安打を達成。仮に7月18日までに116本を打てば3年1か月で2000本に到達する計算になる。30代手前でペースをあげているのだ。
坂本と同じショートのポジションを守って2000本安打を達成し、“安打製造機”と呼ばれた元阪神の藤田平氏が指摘する。
「僕は1500安打を達成した翌年に、31歳で足をケガして2000本を打つのに1~2年遅れた。ショートの守備は足腰に負担がかかるのでより体のケアが大切になる。坂本は最年少記録だけでなく、ケガさえ注意すれば張本勲さんの通算最多安打記録(3085安打)を抜くのも夢じゃない」
榎本も張本も超えてほしい──といったら欲張りすぎか。
※週刊ポスト2020年3月27日号