地球環境の変化に伴い、大きな災害が増えている昨今。“過去の災害から学ぶ危機管理”が注目されている。東日本大震災や2019年10月の台風豪雨被害で、被災した地域ではどんなことが起きていたのか──。事例を紹介しながら対処法を専門家に聞く。
【教えてくれたのは…】
防災アドバイザー・地曵美香さん/危機管理教育研究所認定講師、千葉県災害対策コーディネーター、ポリ袋料理研究家、食育アドバイザー。防災のアドバイスや災害食教室を開催。
◆子供がアレルギー 避難所の食事が食べられずに困った
市町村の避難所では食料の備蓄はされているが、アレルギー対応はまだ不充分。食事制限をしている人や、アレルギーの人が家族にいる場合は、個々で備えたい。
「アレルギーがひどい人は、あらかじめ医師に相談をして、食物アレルギー対応のエピペン(緊急補助治療に使用される医薬品)なども準備しておくといいでしょう。
非常用持ち出し袋に入れる食料は、年齢や性別、持病やアレルギーなどに合わせて、内容を変える必要があります。小さなお子さんには好きなお菓子とシャボン玉やパズルなどのオモチャも用意しておくとストレス軽減になり、ぐずりも減ります」(地曵さん・以下同)
◆洪水被害で家族がバラバラに 安否確認に数日間かかった
災害はいつ、どの場所で起こるかわからない。東日本大震災では家族がそれぞれ職場、学校、家とバラバラに過ごす時間帯に災害が発生。安否確認もままならず、数日間、家族のいない場所で不安に過ごす子供たちも多かった。
「家族の連絡網や避難時の待ち合わせ場所など、災害のときの決まりごとをきちっと決めておくことが大切です。災害伝言ダイヤルの活用や、連絡網アプリなども活用し、非常持ち出し袋に安否情報を貼り出す紙やペン、付箋などを入れておくと役立ちます。また、普段からご近所との交流を持っておくことも重要。皆で協力し合い、災害を乗り越えましょう」
※女性セブン2020年3月26日・4月2日号