新型コロナウイルスによる感染拡大は、大学入試にも影響を及ぼしている。3月12日から始まった国公立大の後期試験で、北海道大学をはじめ大学独自の二次試験を中止するところが出てきたのだ。今年の入試で受験生への感染がなかったのは不幸中の幸いだろう。
さて、このような状況下、国公立大の前期試験の合格発表が終わった。最難関の東京大学、京都大学の合格者出身校別人数では、これまでとは異なる傾向が明らかになってきた。3月13日現在のデータで見てみよう。
東大トップは開成(東京)の181人で、じつに39年連続トップ。平成に続き、令和最初の入試でもトップだった。合格者の学類別内訳では、文I、文III、理I、理IIの4学類でトップだ。文IIトップは聖光学院(神奈川)の16人、理IIIトップは灘(兵庫)の14人だった。
昨年2位の筑波大付駒場(東京)は学校が閉鎖中で、3月下旬まで合格者数は不明だ。現在のところ2位は桜蔭(東京)の85人。過去最高の合格者数で、昨年より19人合格者が増えた。
今年は女子の躍進が顕著で、女子校、共学校で合格者を増やすところが目立った。
女子校では桜蔭以外でも、増加人数は少ないものの鴎(※正確には區ヘンに鳥)友学園女子(東京)や吉祥女子(東京)、頌栄女子学院(東京)、宇都宮女子(栃木)、前橋女子(群馬)などで東大合格者数を増やしている。共学では、渋谷教育学園渋谷(東京)が15人増の34人、西大和学園(奈良)が11人増の53人などだ。西大和学園は中高一貫生女子が今年初めて卒業した。
こうした結果を裏付けるように、今年の東大入試では女子の合格者が増えた。東大発表のデータによると、推薦入試、一般入試とも女子合格者が増えている。合格者に占める女子の割合は19.1%で、昨年の17.4%を上回った。一般入試だけでも16.9%から18.5%にアップしている。しかも志願者に占める女子の割合は、一般入試では昨年の20.7%から20.5%に減少。それだけ女子の頑張りが目立ったということだ。