バイオリンを奏でる女性は、どんなきっかけでバイオリンと出会ったのか? バイオリニストの松本蘭(36)のきっかけは宮沢りえが出演していたCMだ。松本に思いを聞いた。
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バイオリンを始めたのは3歳の時。「三井のリハウス」のCMで“白鳥麗子”役の宮沢りえさんがバイオリンを弾いていて、それを見た母が「可愛いから習わせてみよう」と。始めてみると楽しくて、華やかでかっこいい世界に憧れました。
今では夢が叶って幸せな反面、プロとしてやっていく上での苦労もあります。バイオリニストの身体能力は10代がピークと言われていて、昔は朝起きてすぐに弾けていた曲も、30代になるとウォーミングアップが必要になったりします。技術力を維持しつつ歳を重ねた分、より深い表現をしたいです。
私の愛器は15年ほど前に購入した1925年、イタリア製の「ファニオラ」。イタリアの鮮やかな青空のような、突き抜ける豊かな音に心奪われました。作られて100年足らずというのは、バイオリンとしてはまだ若いのですが、将来は「ストラディバリウス」と並ぶ深い音色を奏でてくれる自慢の楽器です。
昨年、男の子を出産して、現在は子育て中。私が3歳の時に使っていた小さいサイズのバイオリンがあるので、習わせてみたいですね。
【プロフィール】まつもと・らん/1983年生まれ。埼玉県出身。桐朋学園大学卒業。バイオリニスト・徳永二男氏に師事、数々のコンクールにて入賞を果たす。これまでソリストとして、東京交響楽団、京都市交響楽団などと共演。2006年から、「高嶋ちさ子12人のヴァイオリニスト」のメンバーを経て、2009年8月、アルバム『蘭ing』でソロデビュー。2009年にミス日本「ミス着物」受賞。7月17日、ヤマハホールにて『松本蘭 10周年アニバーサリーコンサート ~つむぐ時~』を開催。
撮影■太田真三 取材・文■戸田梨恵
※週刊ポスト2020年3月27日号