バイオリンを奏でる女性は、どんなきっかけでバイオリンと出会ったのか? バイオリニストの寺下真理子(37)が、バイオリンを始めたきっかけを振り返る。
* * *
バイオリンを始めたきっかけは、4歳の誕生日に祖父母がプレゼントしてくれたこと。祖父母も両親も音楽関係の仕事ではないのですが、「人生、辛いときもいいときも、音楽が共にあればいいね」とバイオリンを与えてくれました。今もその言葉が私の心に生きています。
バイオリニストの世界って、フィギュアスケートに似ていると思います。たとえ本番で緊張していたとしても最大限にいい演奏をするために、日々練習を重ねます。技術と表現力に加えて体力も必要になるので、どんな時でも安定して演奏できるよう、日頃からジムで体幹を鍛えています。できるだけ自炊も心がけて、添加物が入っているものはあまり食べません。意外かもしれませんが、結構ストイックなところがあるんですよ。
定期的にクラシックコンサートを開催していて、ありがたいことにCDは、日本だけでなく韓国や台湾でも発売されています。今後はもっと海外に活動の場を広げて、途上国での情操教育に取り組んでいきたい。クラシックを聞く機会が少ない子供たちに、音楽を届けるのが夢です。
【プロフィール】てらした・まりこ/1982年生まれ。和歌山県出身。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同大学卒業。ブリュッセル王立音楽院修士課程修了。これまでに東京フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団などと共演。2015年2月に初アルバム『アヴェ・マリア』、2017年2月にアルバム『ロマンス』をリリース。5月17日、東京オペラシティリサイタルホールにてコンサート『和洋折衷』を開催。
撮影■太田真三 取材・文■戸田梨恵
※週刊ポスト2020年3月27日号