1970年の日本万国博覧会(通称:大阪万博)開幕から50年を迎える。“人類の進歩と調和”を掲げた大阪万博には、アポロ12号が持ち帰った「月の石」など注目の展示などを目当てに183日間で6421万人以上が来場した。この万博が日本人にもたらした影響は、大人だけでなく子供たちにも大きなものだった。
小学館発行の『小学〇年生』といった学年誌にとっても、万博はアポロ11号の月面着陸とともに昭和40年代の2大トピックスだった。
期間中に何度も特集が組まれ、注目パビリオン、ホステスのコスチューム、会場内の乗り物、太陽の塔の詳細、各パビリオンのスタンプ、記念品などが取り上げられた。表紙モデルの女の子が日本館のホステスのコスチュームを着た号や、特派記者となった読者の小学6年生による座談会を掲載した号もあった。
アッコちゃん、ニャロメ、ドラえもん、大ちゃん、ぺちゃこちゃんなど当時の連載漫画の人気キャラクターを総動員しているところが学年誌らしい。イラストを多用しているのも特徴のひとつで、そのイラストは今で言うレトロフューチャー(懐古的な未来)もの。当時の子どもたちが未来に抱いていた曇りのない憧れを象徴しているようだ。
※週刊ポスト2020年3月27日号