今年のアカデミー賞では、韓国映画の『パラサイト 半地下の家族』がアジア映画としては初となる作品賞を受賞。世界中でもアジア映画への注目も高まっている。そこで、中国、香港、台湾において話題となっている映画を紹介しよう。
◆【中国】SFから文化大革命まで
「中国は1960年代後半から1970年代に起きた、社会運動『文化大革命』(文革)による変化が大きい」と、中国人映画ジャーナリスト徐昊辰(ジョ・コウシン)さんは言う。
「文革時は映画の上映は制限され、人々の生活は政府に締め付けられていました。その時代をたくましく生きた人たちの物語は共感を得られ、文革を扱った映画は現在でも人気が高い」(徐さん・以下同)
また、文革後にデビューしたチャン・イーモウ監督(68才)やチェン・カイコー監督(67才)の存在も、いまの中国映画を語る上では欠かせないという。
「彼らは第五世代と呼ばれ、自由な発想で映画を作るようになり、海外でも高い評価を受けています」
2000年代に入ってからは、急速な経済発展により、億単位の製作費がかけられるように。2019年はSF大作映画が製作され、興行収入約600億円の大ヒット。ハリウッド並みの迫力ある作品にも注目が集まっている。
・中国初の本格SF映画
『流転の地球』
「中国が53億円かけて製作したSF超大作。名もなきヒーローたちの壮絶な戦いに中国中が熱狂し、興行収入も600億円突破しました」(徐さん・以下同)