放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、人気アイドルグループ・ジャニーズWESTについて。
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毎年3月に発売される「ジャニーズ事務所公認カレンダー」。今年、小学館が編集に関わったのはジャニーズWEST。3年ぶり、2度目のことだ。
関西ジャニーズJr.出身の7人グループで、2014年4月23日、『ええじゃないか』でデビュー。メンバーは、中間淳太、桐山照史、重岡大毅、小瀧望、濱田崇裕、神山智洋、藤井流星の7人だ。
カレンダー撮影や取材を通じて感じるジャニーズWEST最大の特徴は、「全員がジャニーズWESTを大好きだ」ということではないだろうか。もともと関西ジャニーズJr.の結束は固い。それはやはり、東京との“格差”だったり、進出するためのハードルの高さが関係しているのではないか。
◆関西の後輩たちを思うメンバーたち
これは関ジャニ∞のメンバーに取材したときにも感じることなのだが、彼らは本当にWESTをはじめ、関西の後輩たちのことを常に思っている。横山裕や大倉忠義が関西ジャニーズJr.のプロデュースを始めていることでもわかるように、「関西勢は関西勢で育てる」という強いコミットが感じられる。実際、ジャニーズWESTのコンサート中、後で“ダメ出し”をするためにメモを片手に見守っていた村上信五や丸山隆平、安田章大の姿を見たことがある。
ジャニーズWESTも同様で、後輩Jr.に舞台の仕事が決まったりすると、「思わず歓声を上げてしまった」などと言うし、実際、観劇にも行くし、食事に連れて行ったりすることも頻繁にあると重岡や小瀧から聞いたことがある。
とはいえ、いまの関西ジャニーズJr.は「俺たちのときには考えられないほど、大きなお仕事をいただいている」とは中間。しかし私が出演している『ドデスカ!』(メ~テレ)の月イチレギュラーで、関西ジャニーズJr.の「Aぇ!group」が出演していることを知らせると、「すごい」と驚き、「よろしくお願いします」と中間は深々と頭を下げた。また小瀧は、マネジャー氏に、大阪出身の中山優馬出演の舞台が無事に開演できるかどうかをインタビューの合間に訊ねていた。生田斗真主演の『偽義経冥界歌』のこと。また関西の結束の強さを見せつけられた。
◆メンバーの年齢差がWESTの強み
説明が遅れたが、「2020年4月~2021年3月」のカレンダーが完成したタイミングで、『女性セブン』にて中間と小瀧のインタビューを担当させてもらったのである。
この2人、グループの最年長と最年少。年齢は9才差で、真ん中に重岡、神山、藤井が。中間と同じ、オーバー30組に濱田と桐山がいる。この年齢差が「WESTの強み」と中間も小瀧も口を揃える。さらに、各メンバーが、それぞれのジャンルで持ち味やスキルを発揮し、いい仕事ができていることも「ほんまに誇らしい」(中間)という。
実は撮影当日は、重岡大毅が「怪優」と話題を呼んだ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)最終回の翌日だった。「見た」という中間と、「途中まででリタイアして仕事に出かけてしまった」という小瀧。だが、大きな評判になったことは「ほんまに、すごいこと」と自分の手柄のように喜んでいた。
その小瀧も、“ドラマ班”としてグループを牽引している1人だし、かつて桐山と『ごくせん3』(同)で三浦春馬や三浦翔平らとメインの生徒役を張った中間は、読売テレビでコメンテーターを務めたり、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)で巷の「奥さん」をメロメロにするロケが大好評だ。
初の冠バラエティとして2019年4月に動画配信サービス「Paravi」でスタートした『パパジャニWEST』が総再生回数で堂々の1位を獲得したのを受け、4月21日より、TBSの毎週火曜日「テッペン!枠」にてスタートすることが決定。今年度はジャニーズWESTにとって、飛躍の一年になるのは間違いなさそうだ。
◆中間と小瀧が語る最新カレンダーの魅力
「お蔭様で、それぞれの仕事が充実しているので、7人揃うのは久しぶりだった」と昨年11月から12月にかけてのカレンダー撮影を懐かしむ中間と小瀧。まだ新型コロナウィルスの影響はない頃で、しかも弾丸スケジュールだったが、沖縄ロケもでき、「修学旅行みたいなノリで、いい思い出ができた」と2人は嬉しそうに完成したカレンダーのページをめくっていた。
驚いたのは、「いちばんのお気に入り」をそれぞれに選んでもらった瞬間だ。「せ~の」で2人がセレクトしたのが同じ写真だったのである。それは、沖縄の浜辺で7人が最高の笑顔で並んでいる写真。でも、「いつもの並び順。自然とこうなる」と中間。小瀧はメンバーそれぞれの表情に言及し、「いつもの顔」「でも、久々に見た表情」と自らも笑顔になっていた。
他のページについても、「流星は、やっぱりイケメン」「風が似合う」、「照史は食べ物を前にするとほんまに嬉しそう」「照史のオールバック、かっこいい」「シゲはサングラスが似合う」「こんなに髪型で表情が変化する人は他にいない」「神ちゃん、かわいい」「濱ちゃんはほんまに撫で肩やな」などなど、まるでファンの女子トークのようにメンバーの写真にツッコミを入れる2人。ジャニーズWESTの仲の良さを改めて垣間見た瞬間だった。
また、付録の「解剖図鑑」には、メンバーの体の各サイズが記されていることが「ファンの皆さんから御好評をいただいている」との担当編集者からの説明に、「そうなんや。自分でもこんなに詳しいサイズ、初めて知ったかもしれへん」と中間。「やっぱり、男子やから、おっきいんですよ」とは小瀧で、「ファンのみんなには、“男の大きさ”を知ってほしいな。ちっちゃく見える神ちゃんだって、ほんまは大きいんやから」と中間もサイズトークに盛り上がっていた。ちなみに中間はいつもカレンダーを実家に持ち帰り、飾ってもらっているのだそうだ。
◆コンサートで見せる「完成度の高さ」
そんな2人の表情がいっきに真顔になったのは、話が今年予定されている初の東京・大阪Wドームコンサートに及んだときだ。「やっとかっていう想いもあるし、急に目の前に出てきた壁のようなカンジもするし。やったことないから未知の世界ではある」と小瀧。「やるからには1回だけで終わっちゃあかんし、その先を見据えたハードルみたいなのは感じますね。世間の皆様にもある程度知って頂くやろうから、ドーム公演を機に、より多くの人に応援してもらったら嬉しいと思うし、これから出していく曲っていうのも、よりこだわっていくやろうし」と中間はさらに表情を引き締めた。
ジャニーズWESTのコンサートは何度も見せてもらっているが、毎回、その「完成度の高さ」に私は驚かされている。私は放送作家でもあるので、やはり目がいくのは、全体の構成や、セットリスト、さらに、ジャニーズWESTならではのコントである。それらが、いい意味で収まっているから、本当に時間がアッと言う間にすぎる。そして、一瞬たりともグダグダにならないのは、本当にお見事!
リリースされるシングル曲も、毎回テイストを変えてくることを私が指摘すると、小瀧も「去年のシングルも全部かぶってないし。『ホメチギリスト』出したと思ったら、ええ曲の『アメノチハレ』ときて、これから、しっとり行くんかいなと思ったら、すっごい勢いとテンポがある『Big Shot!!』。で、アルバムの『W trouble』にも、ごりごりにカッコイイ曲やバンドっぽいロックなカンジがあって」と目を輝かせながら説明。
ちなみに、『Big Shot!!』が大会テーマソングになっていた『ワールドカップバレー2019』の日本人選手の大活躍は、おおいに刺激になったという。中間にとっては年下の選手も多かったが「世界の場で堂々と活躍しているから年下には見えなかった」と振り返る。
そんな中間は「ほんまに色んな曲を歌わせてもらって、その曲によってメンバーの声も全然違うし、そういうところもWESTの武器やと思う」と分析。実はスタジオでの撮影の際は、私が用意したジャニーズWESTのアルバムをBGMにしてかけてもらうことが多いのだが、そのとき、ずっと口ずさんでいるのは中間。ときには小さく振りまで踊っているのだ。メンバーがメンバーのファンであることは、そんな様子からもよくわかる。
最後は、ドーム公演でのコントについて聞いてみた。「見せ方は変わってくると思います。アリーナとドームとでは、マイクの反響も違えば、お客さんの反応も違ってくるので、モニターをうまく利用しながら、広い客いじりをしていくんやろな」と小瀧。これまでとは異なる大人っぽいテイストをメインテーマにしている今回のジャニーズWESTのカレンダーだが、彼らならではの“わちゃわちゃ感”も随所に見られる。
初のドーム公演のために、準備を始めているジャニーズWESTのメンバーが、このカレンダーに印をたくさんつけると思われる1年。「好きなページで固定するもよし、毎日、変えるもよし」とは中間の提案だ。まだ、カレンダーがお手元にないというファンの方は、発売中ですので、購入していただければ幸いです。