スポーツ

強すぎた日本代表の悲劇、ノルディック&ジャンプでルール変更

長野五輪では団体金メダルを獲得(時事通信フォト)

 スポーツなら強い選手は賞賛すべきだし人気も集まるだろうと思うと、そうでもないことがある。強すぎる選手への反発から、逆に人気が出ないこともあるのだ。その意見がときには競技そのものの行方を左右することもある。たとえば、強すぎる日本選手を“ターゲット”にしたようなルール変更が相次いだノルディック競技だ。

「ノルディックとは北欧の意味で、距離競技、ジャンプ競技、複合競技は北欧のスカンジナビア地方発祥の伝統ある競技。そのためか、欧州人に有利になるルール変更が繰り返され、日本選手は克服しようと苦労を続けてきた歴史がある」(スポーツジャーナリスト)

 ジャンプ競技では1972年札幌五輪で「日の丸飛行隊」が70m級の金銀銅を独占し、1998年の長野五輪では団体と個人ラージヒルの船木和喜が金メダルを手にした。

 しかし、長野五輪後にスキー板の長さが「身長×146%」と規定されるなど、小柄な日本人が長いスキー板を使えなくなった。ジャンプ競技は長く幅があるスキー板を使用することで揚力を得るが、ルール変更後に日本は低迷期に入った。

 クロスカントリーとジャンプを組み合わせて競うノルディック複合のチャンピオンは、欧州では「キング・オブ・スキー」と呼ばれる。

 前半のジャンプで得点を稼ぎ、後半の距離で逃げ切るパターンで、荻原健司はW杯で3季連続総合王者となり、1992年、1994年の冬季五輪で日本が団体の金メダルを獲得した。

 だが、黄金時代は長く続かず、「前半のジャンプの比重が軽くなるルール変更が繰り返され、日本勢の成績も落ちた」(同前)のである。

船木和喜も大苦戦した(時事通信フォト)

※週刊ポスト2020年4月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン