本誌・女性セブンでは今年2月、インターネット上の誹謗中傷事件に対し、それを許さないとした緊急特集を2回掲載し、反響を呼んだ。そのさなか、女優・春名風花(19才)が自らのSNSに、ネットの誹謗中傷被害に関する刑事告訴状の受け取りを警察から拒否されたと報告。一体何が起こったのか──真相を直撃したところ、ネット被害への社会の無理解が見えてきた。
◆殺害・爆破予告をされ 恐怖におびえる日々…
「はるかぜちゃん」の愛称で知られる春名風花(以下、春名さん)が、ネット上でいわれのない誹謗中傷を受け始めたのは、いまから10年前、わずか9才のときだ。
ちょうどこの頃、社会問題に関する意見をツイッターに投稿し始め、その発言の鋭さから世間の注目を集めていた。春名さんのツイッターをフォローする人が増えると同時に、悪口などを書き込む “アンチファン”の存在も目立つようになる。
「そのなかには、誹謗中傷どころではない、ぼくへの殺害予告までありました。実家の住所も公表され、そのせいで、怖い思いもたくさんするように…。例えば、お風呂場の窓から、知らない人が手を入れてきたり、近所で、“きみの学校に春名風花さんっている?”などと聞き込みをする人も現れ、危険が迫っているのを感じました。あまりの恐怖に、家から一歩も出られない日々が続きました」(春名さん・以下同)
こういった誹謗中傷を発端とした嫌がらせにより、仕事にも支障が出てきた。2016年に彼女の出演する舞台が公演される劇場や所属事務所に、爆破予告が投稿されたのだ。
劇場は厳重警備をせざるを得なくなり、開演期間中は入口で手荷物検査を行い、私服警官に巡回してもらった。
「管轄の警察署の生活安全課には何度も相談に行き、被害届も出しました。でも、“ツイッターって何?”と言われ、取り合ってもらえませんでした。当時はSNSの事件が少なく対策も進んでいなかったんです。結局、実家の近所をパトロールはしていただけたものの、爆破予告犯について捜査してもらえることはありませんでした。警察も誰も助けてくれない…。この時期が本当につらかったですね」