韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が、アカデミー賞で作品賞を獲得し、今一度アジア映画に注目が集まっている。そして、世界中でも特に多くの映画を作っているのがインド。そこで、インドにおける注目映画をいくつか紹介する。
◆歌、踊り、恋にアクション なんでもあり!
東京国際映画祭アジア部門プログラミング・ディレクターで、香港・釜山などの国際映画祭で審査員を歴任する日本映画大学教授・石坂健治さんはこう話す。
「従来のインド映画は上映時間が3~4時間の作品が主流で、入場料は80~100円と安いのが特徴です。それは、いまだに低所得の庶民層が1本の映画で歌や踊り、恋愛、アクションとあらゆる要素を楽しめるように作られているからです」(石坂さん・以下「」内同)
インドには3大カーンと呼ばれるスターがおり、彼らが出演する作品は日本でも軒並み大ヒットしている。
インド映画ブームを決定づけたシャー・ルク・カーンの『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』(2007年)や、日本でロングランヒットした『きっと、うまくいく』(2009年)のアーミル・カーン。インド国内で30以上の映画賞をとった『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(2015年)のサルマン・カーン。彼らの作品は文句なしで楽しめる。
また、インド映画は派手な演出のない作品も人気が高い。
「家庭の事情でお弁当を持って行けない少年の生活を描いた『スタンリーのお弁当箱』(2011年)は、歌や踊りもなく、スターも出ていない心温まる作品。日本でもヒットし、第二次インド映画ブームに貢献しました」
“踊らない”インド映画では、『めぐり逢わせのお弁当』(2013年)が、カンヌ国際映画祭などでも高い評価を得ている。そんなインド映画の代表作を紹介する。
■イベント上映はいつも満員だった 『バーフバリ2 王の凱旋』
「舞台は古代インドの架空の国“マヒシュマティ王国”。ここで巻き起こる王位争奪を壮大に描いたアクション抒情詩。こちらはインドの南東部で作られました」
■大スターが熱演!南インドの代表作 『PK』
「地球に調査しにきた宇宙人が主人公のSFコメディーではありますが、宗教や社会問題に切り込んだ意欲作」
※女性セブン2020年4月9日号