タレントの志村けんさんが3月29日、新型コロナウイルス感染による肺炎のため亡くなった。70才だった。
その翌日となる3月30日、小池百合子東京都知事は緊急会見を開き、ナイトクラブやバーなど、「接客を伴う飲食の場で感染を疑う事例が多発している」と警鐘を鳴らした。いわゆる、“夜の街クラスター(感染者集団)”が急激な流行を招いているという懸念だ。
志村さんの感染ルートは明らかになっていないが、志村さんが夜の街での豪快な遊びを愛していたのは、芸能界ではよく知られていた。
「芸能人や著名人の知り合いが多く、東京・六本木や麻布十番などの繁華街で飲み歩く姿は有名でした。食事の前にはその界隈にある岩盤浴や高級スパに通うのが“日課”でした。
新型コロナのことは気にしてはいましたが、まさか自分が感染するとは微塵も思っていなかった。2月末には銀座の有名クラブで盛大にパーティーまで開いてましたから」(志村さんの知人)
志村さんが最後に仕事に臨んだのは3月10日、『あいつ今何してる?』(テレビ朝日系)の収録だった。その日の夜も、志村さんは街に繰り出した。
「何軒かハシゴした後、麻布十番にある行きつけのガールズバーに顔を出しました。志村さんがもう10年以上通っていた、大のお気に入りの店です。その夜もいつもの調子で愉快に焼酎を飲んでいましたが、その日の来店が最後になってしまった」(近隣の飲食店関係者)
志村さんが通った飲食店やマッサージ店の一部は、志村さんの感染発覚後、一時休業や改装工事などに入ったところもあった。
いまにして思えば、志村さんは肺炎が重症化するリスクファクターを多く抱えていた。
近年まではたばこも大量に吸っていた。過去に何度も胃潰瘍を経験して2016年には肺炎を患い、今年1月には胃のポリープを除去する内視鏡手術を受けていた。血液内科医の中村幸嗣さんは説明する。
「アルコールを多く飲み、不規則な生活を続けていると肺炎になったときに闘う体力が弱くなります。何より、最大のリスクは『年齢』でした。志村さんは年齢の割には体力もあり、活動的だったとはいえ、もう70才。新型コロナの感染者の重症化率は、高齢者が圧倒的に高いのです」
※女性セブン2020年4月16日号