芸能

志村けんさん、後悔のない生き方 病気になるたび意欲的に

人望の厚い人だった

 3月29日午後11時10分、タレントの志村けんさんが、新型コロナウイルス感染による肺炎のため亡くなった。70才だった。志村さんは19日に発熱と呼吸困難の症状が出て、そこからわずか3日で意識を失った。自分が新型コロナウイルスに感染したことを知らないまま、帰らぬ人となった。

 志村さんは1950年、東京都東村山市に生まれた。父親は小学校の教師で、2人の兄は大学に進学している。お堅い家庭にあって、志村さんだけが高卒で芸能界に飛び込んだ。背中を押したのは、末っ子の志村さんを誰よりもかわいがっていた母親の和子さんだったという。

「志村さんのお父さんは若くして亡くなりましたが、その分和子さんは自分こそが“志村けんのいちばんのファン”とよく口にしていました。ただ、下積み時代の苦労を知ったのは後になってからだったようで、その頃のつらさに気づかなかったことを悔やんでいました」(志村家の知人)

 高校を卒業した志村さんは、いかりや長介さんに弟子入りを志願。それがきっかけとなり、ザ・ドリフターズの付き人をしながら、知人とコンビを組んでいたが、1974年に転機が訪れる。脱退する荒井注さん(享年71)と入れ替わりでザ・ドリフターズに加入することになったのだ。このとき、志村さんは24才。ドリフの最年少メンバーとしてテレビや舞台で活躍するようになり、瞬く間にお茶の間の人気者になった。

「最初はとにかく苦労していた。笑わせようとすると、空回り。楽屋で落ち込む毎日が続いた。でもあるときから、自分が楽しまないと見ている人は面白くないと気がついて、まずは楽しむことにした。すると、子供からお年寄りまで、幅広い層から支持されるようになりました」(芸能関係者)

「バカ殿」や「変なおじさん」といったキャラクターを生み出し、誰もが一度は真似をした「ヒゲダンス」や「カラスの勝手でしょ」「アイーン」などのギャグを大流行させ、『8時だョ!全員集合』『ドリフ大爆笑』『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』などを、時代を代表する高視聴率番組にした。コメディアン・志村けんの名前は、日本の外にも知られるようになった。

「息子の活躍を誰よりも喜んだのはお母さん。そんな母の次なる願いは志村さんの結婚と孫の顔を見ることだった。顔を合わせるたびにその話をしていたようです。志村さんも、恋人を何人かお母さんに紹介したことがあるそうなのですが、結局、結婚することはありませんでしたね」(前出・志村家の知人)

◆豪快な人生と人望

 一方で、何十年も続く多忙な日々と豪快な夜遊びは志村さんの体を蝕んでいった。25年ほど前には「志村けん死亡説」が流れたほどだ。そして2015年に最愛の母・和子さんを96才で失ってから、志村さんも体調を崩すことが増えた。

 2016年には肺炎を患い、それまで1日40本以上も吸っていたたばこをやめた。2年前からは肝臓の数値がよくないので酒量を減らした。今年に入ってからは、胃のポリープの切除手術を受けた。

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン