本来なら華々しいデビューとなるはずが、新型ウイルス禍によってひっそりと、4月1日からJALのCAの制服が新しくなった。1951年に初代「エアガール」が膝下15センチのスカートで登場して以来、今回の制服は11代目。7年ぶりのリニューアルとなった。
新制服はワンピースとパンツスタイルの2種類。これまでのジャケット・スカートから大きくイメージが変わった。
大きな変更だからこそ、評価が分かれている。ミュージシャンで芸能界きっての航空フリークであるパラダイス山元氏は絶賛する。
「これまでの窮屈で“制服っぽいデザイン”とは違い、今回は赤いラインや肩のロゴなど“JALらしさ”が盛り込まれている。新しく導入されたパンツスタイルは、海外の航空会社ではすでに当たり前のものです。ようやくJALも世界標準を取り入れたかという印象。スタイル良く足がキレイに見えるというのもいいですね」
一方、元JALのチーフパーサーで航空評論家の秀島一生氏は「理想の制服からは遠い」と手厳しい。
「私がJALにいた時代に、袖に線が入った一目で客室乗務員だとわかる制服から、現場の声も聞かずに地味なダブルジャケットに変わってしまったことがありました。当時は、『これでは乗客に紛れてしまい、機内トラブルの際に存在感を示せない』と危機感を覚えました。
パンツスーツを導入したことは、機能面では評価できます。しかし、頼もしく見えて、かつ一目で『客室乗務員だ』とわかるためには、今回の制服では色味が暗く、格調が足りない」
新型コロナウイルスの影響で、「大幅な減便、運休を行なっており、お客様にご覧いただく機会は減ってしまっている状況」(JAL・総務本部広報部)だが、感染拡大の終息後、JALは新制服で“上昇気流”に乗ることができるか。
※週刊ポスト2020年4月17日号