なぜ安倍晋三首相は昭恵夫人に甘いのか。花見写真から森友学園問題まで、この異様な夫婦関係をめぐって国中が振り回されている。ノンフィクション作家の森功氏が集めた、2人をよく知る関係者の証言から、その原点に遡る。(敬称略)
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この夫婦、よくよく花見がお好きのようだ。昨年11月以降、「桜を見る会」問題を国会で追及されてきた夫君に代わり、今度は細君の花見写真がネットに漏れ出した。すると、例によって首相の安倍晋三は「都内のプライベートスペースで、公園での花見ではない」と妻女を庇う。さらに負けず嫌いの宰相は質問する立憲民主党の杉尾秀哉を茶化すことも忘れない。
「(唾が飛ぶので)大きな声出しちゃいけない……」
何度見た光景だろうか。
いくら仲睦まじい夫婦であっても、配偶者の軽はずみな言動を問題視さると謙虚になり、まずは詫びるのが社会通念であろう。仮に的外れの批判であっても、相手を馬鹿にするような態度はとらない。
あまりに器が小さいといえばそれまでだが、逆に懲りない細君はとてつもなく神経が図太い。夫の政治生命にかかわりかねないような振る舞いを幾度も繰り返してきた。なぜ一国のリーダーが、好き勝手な女房の振る舞いを制御できないのか。誰もが首を傾げる。実に妙なカップルである。
安倍夫妻については、いっとき仮面夫婦ではないか、という説もあった。祖父の岸信介を敬愛してやまない首相は、岸の愛娘で実母の洋子に頭が上がらない。同居している夫が家母と妻の板挟みにあい、形ばかりの夫婦関係を続けているのでは。