小中学生の教科書が、様変わりしている。例えば今の大人が「リアス式海岸」と習ったものは、今は「リアス海岸」と呼ばれるようになったり、大航海時代の探検家「マゼラン」はポルトガル語読みの「マガリャンイス」と教えられたりするようになっている。英語を習うのは中学1年生からで、最初は「My name is~.」「This is a pen.」、単語の綴りを間違えないように何十回と書いて覚える──そんな常識も現在は大きく変わった。
英語は今年度から小学校3・4年生での必修化が始まり、5・6年生では教科として学ぶようになった。我々が中学校で学んだ内容は小学生のうちから学び始めるようになり、学び方も異なる。
「基本的に文法は教えないことになっています。正確な文法で英語を使うよりも、まずはどれだけ英語で思いを表現できるか、たとえ言葉が足りなくても積極的に会話することを重視しています。ただもちろん正しい英語は教えますので、複雑にならないよう、最初は三人称単数現在形などを避ける指導要領になっています」(東京書籍 小学校・中学校英語編集長・榮彰子氏)
教科書も日本語での記述や説明は減り、イラストや写真が豊富に掲載されている。
「動画で映像を見て、発音を聴けるデジタルコンテンツ教材が充実しています。自己紹介や友達との名刺交換など、会話を通して学びます。また題材も理科の食物連鎖や社会の環境問題などを英語で表現できるようにするなど、他教科と紐付けたものもあります」(同前)
※週刊ポスト2020年4月17日号