中国が新型コロナウイルス感染のパンデミック(大流行)状態に陥っている欧州諸国などに不足しているマスクや医療製品を寄付するなどの「マスク外交」を活発化させている。そんななか、中国の業者からマスクを輸入したオランダ政府当局は、中国で製造された60万枚のマスクが品質基準を満たしていないためすべてリコール(回収)し、中国に送り返した。
また、スペインやチェコに送られた数十万枚の新型コロナウイルスの感染検査キットも検査結果の信頼度が30%しか達していない不良品だったことも分かっている。
オランダの公共放送機関「オランダ放送協会(NOS)」は、オランダ保健・福祉・スポーツ省の見解を紹介。同省は3月下旬、欧州で通常使用されるマスクは新型コロナウイルスを運ぶ可能性のある空中粒子の90%以上を遮断する基準になっているが、「中国から輸入したマスクはこの基準を満たしておらず、すべてリコールした」と発表した。
同省が中国から輸入したマスクは中国製の「KN95」で、輸入品にはKN95品質証明書が付いており、一部は実際に医療従事者に渡されたが、彼らが不具合を発見。
このため、同省の検査官が調べたところ、マスクが顔にフィットしなかったり、フィルター機能が著しく劣っており、「品質基準を満たしていない」との判定を下した。さらに、2回目の検査でも同様の結果が出たことから、すべての製品は回収され、中国に送り返されたという。