どうしても「性教育」を避けてしまいがちな親も多いだろう。しかし、子供が性に興味を持つのは当然のこと。いくら親が、「子供は純真無垢なんだ」と思い込もうが、いつかは“大人”になるのだ。それを理解し、きちんと教えないとならない場面に遭遇したとき、親としてどう対応すべきか。産婦人科医で性科学者の宋美玄さんが、ケース別で適切な家庭の性教育を教える。
【教えてくれたのは…?】
◆宋美玄さん/産婦人科医、医学博士、性科学者。日本新生児周産期学会会員、日本性科学会会員。近著に『産婦人科医 宋美玄先生が娘に伝えたい 性の話』(小学館)。
【ケース1】5才の息子がタブレットで女性の裸を検索していて…見せないようにブロックすべきですよね!(30才・派遣社員)
5才頃から、男の子は女性の体に興味を持つケースが多い。正常な成長過程と捉え、ことさら神経質になる必要はないという。
「絵本などを使い、男女の体の仕組みと、女性と接するときの基本的な姿勢を教えておきましょう」(宋美玄さん・以下同)
ネットの画像は刺激が強いというなら、自分が教えやすく、子供が受け入れやすい絵柄や内容のものを選び、一緒に学ぶといい。
【ケース2】3才の娘はお風呂のとき、夫のアソコを触りたがるんです(30才・パート)
幼い子が、自分の体にはない“モノ”に興味を示し、触りたがるのはよくあること。
「一般的に子供は3才頃から異性の体に興味を持ち始めます。このときこそ、プライベートゾーン(男女ともに水着で隠す部分)について教える好機。水着を着ている部分は、触ってはいけないし、触らせてもいけない。触るのは相手を傷つける行為なんだと教えて」
【ケース3】知らない間に、7才の子供同士が性器の見せ合いっこを…(35才・会社員)
友達の子供同士が体や性器の見せ合いをしていたら、ショックのあまり叱りつけたいところだが、「あくまで冷静に対応を」と宋さんは言う。
「怒らず、冷静な口調で“やめなさい”と言いましょう。裸は他人にむやみに見せてはいけないし、性器はとても大切な部分だと伝えることが大切。頭ごなしに叱ると、隠れて性的な行動をする可能性があります」
【ケース4】14才の息子が自慰行為のときにシーツを汚します。自分で洗濯してって言いたい…(46才・主婦)
多くの男の子が12才頃に精通を迎え、自慰行為を行うようになる。ちょうどこの頃は反抗期ということもあり、黙って洗濯をしているという母親が多いようだが…。
「父親や親戚など、息子さんと身近な存在の男性に相談し、自分で洗うよう伝えてもらいましょう。その年齢の男の子に母親が教えるのは、子供にも苦痛になり、トラウマになる可能性も」
※女性セブン2020年4月23日号