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小学校算数の教科書、「台形ショック」を経てかなり分厚く変化

かなり分厚くなった

「教科書から台形の面積を求める公式が消えた」──平成10年の学習指導要領の改訂(平成14年度実施)が騒がれたことをご記憶の方も多いだろう。

「この時、教科書の内容は以前より3割ほど削られました」(東京書籍 小学算数編集長・清水成章氏)。これが教育界に与えた反響は大きく、10年ごとにされることが多い「学習指導要領の新実施」が9年で行なわれ、平成23年に新しい教科書になった。

「日本の国際競争力が失われつつあるなかで、これからは理系の時代。理数教育の水準を底上げしなければという社会的要請もあり、削られた3割はその時にほぼ戻りました」(同前)

 そして今年度の改訂で学習内容がさらに増え、教科書はかなり分厚くなった。

「例えば、これまでは5年生からだった『割合』が4年生からになりました。最も大きな変化は、今年度から『統計』が本格的に加わったこと。統計を駆使して、物事を根拠に基づいて判断する統計的リテラシー教育が、国際的にみると日本はだいぶ遅れてしまっていることへの対策です」(同前)

 ちなみに、かつて台形と一緒に騒がれた「円周率が3になる」は、実はデマ。「円周率が3と教えられた事実はありません」(同前)という。

※週刊ポスト2020年4月17日号

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