今年、令和2年度は小学校の、来年度は中学校の教科書の改訂が控える節目の年。もしいまの小学生の教科書を見れば、大人が学んだ頃の教科書とは大きく異なっていることに驚くはずだ。
教科書の常識は中高年世代と現在ではおおいに変わっている。たとえば、「源頼朝とされる肖像画は実は足利尊氏の弟だった?」や「“踏絵”と呼ばれた行為は今は“絵踏”」、「リアス式海岸→リアス海岸」など、研究の進展により、かつての教科書で学んだ常識が変わってきているのだ。
そうした内容の違いだけではない。今と昔の教科書の最大の違いは「デジタル教材」だろう。
今年度から教科書の検定規則が変わり、必要に応じてデジタル教材を紐付けることが許可された。ページに掲載されたQRコードをスマホやタブレット端末で読み取ると、そのページに関連した内容を動画等で見ることができる視聴覚の教材だ。
内容は教科によって様々だが、例えば国語は漢字の書き順、英語なら英語の発音が聞けたり、教科書上の自己紹介の英会話をまるでドラマを見るかのように動画で見られたりする。例えば英語教科書の『NEW HORIZON Elementary』では200個以上のQRコードが掲載されている。
※週刊ポスト2020年4月17日号