この4月でデビュー40周年を迎えた松田聖子(58)は、いかに“成功への扉”を開いていったのか──。今春、『1980年の松田聖子』(徳間書店)を上梓した芸能ノンフィクションライター・石田伸也氏が、“松田聖子誕生”の瞬間を振り返る。
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1980年4月1日、松田聖子のデビュー曲『裸足の季節』は、日本のアイドル史を変える革命となった。以来、今なおトップに君臨し、昨年の大みそかも『NHK紅白歌合戦』でヒットメドレーを披露している。
作曲家の故・平尾昌晃は、聖子がまだ本名の「蒲池法子」だった1978年に出会った。主宰する音楽学院の福岡校に、聖子は久留米からレッスンを受けに来ていた。
「トロフィーを持って帰ったら、生まれて初めて父に引っぱたかれたんですよ」
それが初対面の聖子の言葉だった。1978年に開催された「ミス・セブンティーンコンテスト」で、聖子は九州大会のグランプリに輝く。次は全国大会となるはずが、厳格な父に反対されて断念する。それでも、聖子の信念は揺るがなかったと平尾は記憶する。
「先生、私は歌手になって必ず成功するから!」
歌手になることを「夢見る」子は多いが、その先に自分の成功を「イメージ」できている子は珍しいと平尾は感心していた。