東京都監察医務院の調査によると、東京23区内で、65才以上のひとり暮らしの高齢者が自宅で亡くなったケースは、2002年が1364件だったのに対し、2019年は3882件と、約3倍も増加している。
自分の弟の孤独死をきっかけに、人生を見つめ直し、新たな事業を始めた人がいる。NPO法人『エンリッチ』代表理事の紺野功さんだ。
紺野さんの弟は5年前の2月、ひとり暮らしのマンションで亡くなっているのが発見された。
「酒に酔って居間で寝込んでしまったようで、死因は低体温症と言われました。その年の正月には実家で会いましたし、まだ51才と若かったので、まさかと思いました」(紺野功さん)
当時IT企業で働いていた紺野さんだが、「若くても家族がいても孤独死する」という現実を目の当たりにし、退職後の2018年に、現役世代の孤独死への注意喚起と啓蒙のため『エンリッチ』を立ち上げた。
紺野さんが提供するのは、LINEを使って安否確認をする「見守りサービス」など。LINEで友だち登録をすると、任意の時間に安否確認通知がくる仕組みだ。通知が来たら、OKをタップ。タップをしなければ24時間後に再送されてくる。
それでもタップしないと、3時間後に生存確認の電話が直接かかってくる。それに出ないと、事前に登録した近親者に連絡がいく。
現在の登録者数は約1200人で女性が6割(20~93才)。基本無料で利用できる。
※女性セブン2020年4月23日号