国内

コロナで浮き彫りになる本性、駅の“舌打ち”や夫への殺意沸々など

小池都知事からの「休業要請」にすべての飲食店等は悲鳴をあげている(時事通信フォト)

 体験取材などを得意とする女性セブンの名物記者“オバ記者”こと野原広子(63才)が、世の中で起きている出来事に気ままな意見をぶつける。今回のテーマは「人の本性が次々とあばかれていく!」だ。

 * * *
 実は先日、夜中に熱が出たの。体温を測ったら36度7分ある。平熱は35度5分だから微熱だけど、体が熱い。喉も少し痛いような気がする。えっ、コロナ? そのとき私が考えたのは、感染源。誰からうつされたんだろう? あいつか、それとも…。

 1時間、2時間。天井をニラんで、犯人捜しとこれからどうしようかを考えているうちに、疲れて寝ちゃった。朝、目が覚めて体温を測ったらセーフ! 平熱に戻っていた。体にだるさもなく、スッと起きられる。それでアルバイトに出かけていったんだけど、そうなったらなったで、なんとも後ろめたいんだよね。

 新型コロナウイルスに感染しているかもしれない。していないかもしれない。で、どうしたかといえば、隠ぺい。「昨夜、微熱が出た」と誰かに言ったら、その人はどう思うか。結局、怖くて誰にも言えなかった。

 あれから10日がたつ。幸い、体温は上がっていないから、コロナではなかったようだけど、いま、私と同じように体の異変を人に話さない人がどれだけいるか。その中に“ホンモノ”が潜んでいる…。その不安と恐れでみんな、いっぱいいっぱいよ。

 不安はすぐに怒りに変わる。でも、それが私に飛んでくるとは思わなかった。

 先日、友人のA子さん(66才)から出し抜けに、上から目線のこんなLINEが届いた。「あなた、国会議員の事務所でアルバイトしているって言ってたよね。内部から声をあげて『アベノマスク、反対』って言ってよ」。唐突さにビックリして、「総理官邸の前で大声を出せってこと?」と返すと、「そうして!」だって。ちょっと世間知らずなA子さんではあるけれど、「アベ」と呼び捨てにしたり、私を鉄砲玉にさせるような人ではない、と思っていた。

 身近な友達といえば、Y美(54才)もそう。数週間前、都内のスーパーからトイレットペーパーが消えたとき、電話口で「道徳心なさすぎ。どんな育ちをしたら、そんな身勝手なことができるのッ」とさんざん怒っていたのよ。

 それがいざ、緊急事態宣言が出るという日になったら、「トイレットペーパーは当分心配ない。うちは家族総出でもう買いに行ったから」と言うではないか。私が「買い占めた?」と聞いたら、「備えあれば憂いなし。自衛手段よ」だって。昨日言っていたことと、今日言ってることがつながらない。

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