国内

ナイトワークの従事者たちにも補償や給付が必要とされる理由

ナイトワークは休業補償されるのか(時事通信フォト)

ナイトワークは休業補償されるのか(時事通信フォト)

 緊急事態宣言にともない、東京都は6つの業態や施設に休業を要請した。そこには予想通りキャバレーやナイトクラブ、個室付浴場業に係る公衆浴場など、いわゆる水商売、風俗業と言われる分野の施設が含まれていた。仕事ができなくなってしまった彼ら、彼女たちにどのように安定した生活を保たせるべきか。ネットの一部で言われているように、彼らに支援は必要ないと切り離してよいものなのか。ライターの森鷹久氏が水商売に携わる人たちの実情をレポートし、支援について考えた。

 * * *
 新型コロナウイルスの感染拡大で、小中高校の休校が続いている。3月の全国一斉休校が決まった直後、仕事を休職せざるを得なくなった保護者に休業補償がされることが決まった。この制度には当初、「風俗業」「接待を伴う飲食業」で働く人々は含まないとされていたが、彼らも同じように補償の対象となるよう方針が変更された。「世論から差別ではないか、などと批判が相次ぎ見直した格好」(民放政治部記者)というが、果たしてこれで本当に困っている人々に金が行き渡るのか。

 非常事態宣言に伴う休業要請とは別に追加で休業を求められている、いわゆる「接待を伴う飲食店」に分類される東京都港区のクラブオーナー・Hさん(50代)は言う。

「補償の門戸を広くしてくれたことには感謝します。水商売にとっては1~2月は閑散期、3~4月の歓送迎会シーズンを楽しみに待っていたらこれでしょ。近くの店のスタッフから陽性患者が出たこともあり、うちも3月終わりから休業中。基本的には、歩合、出ただけ給与がもらえるシステムですから、その収入に準じて補償がなされるのかは不透明。そもそも、それが給付なのか補助なのか、借金なのか、よくわからないけども、それでも、制度自体はありがたい」(Hさん)

 補償と一括りに行っても、子供の休校に伴う給与補償、そして休業を余儀なくされた業種従事者への雇用調整など、受け取る側の事情に応じて用意されてはいる。ただ、自分自身がどの属性なのか、正直わかっていない人も多い実情。いずれにせよ。一時的にでも、どんな形でも金を受け取れるという事実は、歓迎されている。

 とはいうものの、不満もある。

「いまだに”水商売=暴力団”というイメージで、厚労省が我々を説明したことです。確かに昔は関係がありました。しかし、お上が厳しくとりしまったおかげで、私の周囲の店で、暴力団が運営している、関係しているところはほとんどない。普通の会社としてやっているんです。さらにいえば、賃金補償額が1日上限8330円。これじゃアルバイトと変わらない。バカにしている金額だし、すでに売り上げの下がっていた二月分の給与もベースに換算されると、その少ない金額の満額を手にできない可能性すらあります」(Hさん)

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
(左から)「ガクヅケ」木田さんと「きしたかの」の高野正成さん
《後輩が楽屋泥棒の反響》『水ダウ』“2024年ダマされ王”に輝いたお笑いコンビきしたかの・高野正成が初めて明かした「好感度爆上げドッキリで涙」の意外な真相と代償
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
フィリピン人女性監督が描いた「日本人の孤独死」、主演はリリー・フランキー(©︎「Diamonds in the Sand」Film Partners)
なぜ「孤独死」は日本で起こるのか? フィリピン人女性監督が問いかける日本人的な「仕事中心の価値観」
NEWSポストセブン
timelesz加入後、爆発的な人気を誇る寺西拓人
「ミュージカルの王子様なのです」timelesz・寺西拓人の魅力とこれまでの歩み 山田美保子さんが“追い続けた12年”を振り返る
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン