新型コロナウイルスの感染予防のためには、密閉・密集・密接の「3密」を避けなくてはならない。そういった影響もあり、参列者が少ない「家族葬」を選択する人も増加しそうだ。実際、鎌倉新書「第3回お葬式に関する全国調査」(2017年)によると、「家族葬」の割合は37.9%になっており、家族葬を専門に行う大阪セレモニーの山田泰平さんは「4月以降、故人の友人や親族を呼んで10~20人程度で行う葬儀が屁って、同居するご家族数人だけで行う場合がほとんどです」と語る。
とはいえ、「家族葬」に明確な定義があるわけではなく、“どこからどこまでが家族か”という判断も難しくなる。
また、家族葬では、どうしても葬儀後に訃報を伝えるケースが多くなるので、伝え方にも注意が必要だ。悲しみに暮れる中、知人から「なぜ葬儀前に知らせてくれなかったんだ」「〇〇さんは顔が広い人だったのに、家族葬なんて」と叱られて、さらに落ち込んでしまうことも珍しくない。葬儀相談員の市川愛さんはこう指摘する。
「相手が怒ってしまうのは、故人とお別れをしたい気持ちが強いからです。動揺した相手が思わず強い言葉を言ってしまうことがあるので、電話連絡は避けてはがきでお知らせしましょう。自宅に突然訪問されて困ったという事例も多いです。四十九日の法要にお招きしたり、お別れ会を後日開催したりするなど、別途お別れの場を設けたい旨を書き添えるといいでしょう。
そして葬儀にお招きする人には直接電話してください。その際『家族葬なので、人へのお知らせをお控えください』とはっきりお願いすることが大事です。突然の悲報に、共通の知り合いにも知らせたくなるものですから」
親戚も呼ばず、同居する家族数人だけで行う人も増えているが、その場合、親戚からは、知人などからとは桁違いの、きついお叱りを受ける可能性があることは想定しておいた方がいいという。