新型コロナウイルスの感染拡大により、プロ野球やJリーグを始め、スポーツイベントが軒並み中止・延期になった。スポーツ紙デスクが嘆く。
「例年この時期はプロ野球やJリーグの開幕、相撲も5月場所を控えて1面の話題には事欠かない。さらに今年はオリンピックネタも入ってきたはずなのに、ほとんどのスポーツが延期や中止になってしまい……これまでのプランが崩壊しました。記者に『取材しないで書けるネタをリストにして提出しろ!』との指令が出ました」
各紙は唯一、無観客で開催されている競馬を毎週日本ダービー並みの扱いで1面で掲載するほか、「選手の自宅トレーニング動画」「監督がすすめる読書」「フィギュア女子のメイク特集」といった“暇ネタ”で紙面を埋めてきたが、もはや限界。
そこで各紙はそれぞれのカラーを打ち出して難局を突破しようとしている。
◆天変地異を見越して温めていた
阪神至上主義を貫き、2010年のサッカーW杯・カメルーン戦で日本代表が勝利した際に各紙が日本の勝利を伝えるなか、「下柳剛入籍」を1面トップで報じたデイリースポーツ。
そのデイリーらしさが存分に発揮されたのは、安倍首相が緊急事態宣言を出した翌日(4月9日)の1面だ。各紙が緊迫する社会情勢を伝えるなか、デイリーにはこんな見出しが大きく載った。
「自粛生活のパートナー 猛虎クロスワード」
歴代監督や選手、球場まで阪神にちなんだ50の設問を大展開。これにはライバル紙も仰天した。