突然の訃報に、日本中が悲しみに包まれた。4月23日、情報番組『はなまるマーケット』(TBS系)の司会として知られる女優・岡江久美子さんが、新型コロナによる肺炎で死去した。
昨年末に乳がんが発覚、放射線治療による免疫力低下が重症化の一因と言われる。しかし63歳という若さ、生前の快活なイメージもあって、その死はウイルスの恐怖を改めて知らしめた。
2014年の『はなまる』終了後、岡江は母の介護に専念。その後2017年11月に母が94歳で亡くなるまで、献身的に世話を続けていたという。
「介護で大変な日々でも常にニコニコ笑顔を欠かさなかった。優しさだけでなく強さも持ち合わせた人だった」(知人)
昨年5月の『女性セブン』の取材でも、母の介護について詳しく語った。しかし彼女の口から出るのは謙遜の言葉ばかり。
「でも、本当に私が頑張ったって話じゃなくて。家族とか、施設の方とか、周りみんなあってのことだから」──そう何度も繰り返したという。
取材中も常に記者を気遣い続けた。
「『直撃取材とわかりやすいように、向き合って話す写真を撮ったら?』と撮影のリテイクまで申し出てくれました。突然の訪問なのに……そんなタレントさんはなかなかいません」(取材記者)
ドラマ『天までとどけ』(TBS系)で演じたお母さんのように、どんなときも朗らかで思いやりを欠かさない女性だった。
※週刊ポスト2020年5月8・15日号