令和の時代の始まりの象徴となったのが、昨年11月10日に行なわれた天皇陛下の即位パレード(祝賀御列の儀)だ。コースは皇居・宮殿から赤坂御所までの約4.6キロ。天皇・皇后両陛下の姿を一目見ようと、11万9000人が沿道に押し寄せた。国旗を手に祝福する人々に、両陛下はにこやかに手を降った。
当時注目されたのが両陛下を乗せたオープンカーだ。2018年にフルモデルチェンジされたばかりのトヨタの最高級車・センチュリーを改造した特別車で、約8000万円の予算が投じられた豪華さも話題となった。宮内庁担当記者が言う。
「平成2年の天皇即位パレードで使われたロールスロイスのオープンカーは、その後は皇太子さま・雅子さまのご成婚パレードでしか使用されないまま廃車になってしまいました。現在は宮内庁車馬課の倉庫に保管してあります。たった2回しか使われないのではもったいないという声もありました。そのため、今度の“令和のオープンカー”は宮内庁ではなく内閣府が管理することになったのです。
パレードの後、東京・赤坂の迎賓館や京都迎賓館で一般公開されていましたが、今後のお披露目の場は未定のようです。新型コロナ感染拡大の問題もあり、当分その機会はないかもしれません。本来なら今年の夏に東京五輪の選手パレードで活用されると聞いていたんですが……」
現在、オープンカーは「内閣府がある東京・永田町の中央合同庁舎8号館の駐車場で保管されています」(内閣府皇位継承式典事務局)とのこと。
来年の夏、その姿を再び見ることはできるのか。
※週刊ポスト2020年5月8・15日号