芸能

樹木希林さんの愛蔵書100冊 名編集者の手で一冊に

希林さんの残した物とは(写真/GettyImages)

 新型コロナウイルスは「見えない不安」の蔓延に加え、マスクなどの買い占め、ネットでのデマの流布など、人々の体だけでなく心も蝕んでいる。こんなとき、強くたくましく生きたあの女性ならどう行動しただろうか…。

 2018年9月に亡くなった樹木希林さん(享年75)は大の読書家として知られていた。しかし、自宅の書斎に遺されていたのは100冊だけ。樹木さんには、100冊以上の本は持たないというマイルールがあったのだ。もしも、手元に置いておきたい新たに本が見つかったら、100冊の中から1冊を誰かにプレゼントしたというのだ。

 そんな100冊の中でも、長きにわたって所有し続けていたうちの1冊とはどんな本なのだろうか。

◆『梅原猛の授業 仏教』梅原猛

 鈴木大拙、西田幾多郎の影響を受け、鈴木のことを「近代日本最大の仏教学者」と評した梅原の著書『梅原猛の授業 仏教』(朝日新聞社)は中学生向けの授業を一冊にまとめたもので、若い世代から大人まで幅広い世代に理解できる内容になっている。樹木さんは2002年に購入して以来、所持し続けていたという。

 そして本の中にあった『生老病死』という4文字の言葉を雑記帳に書き留めていた。

『生老病死』とは生きる苦しみ、老いる苦しみ、病気になる苦しみ、死ぬ苦しみを表す言葉。樹木さんと40年以上にわたって親交がある椎根和さん(しいね・やまと 78才)は、こう話す

「がんを宣告されてから、自分の終末をどう迎えるかという問題を考え続けていたのだと思います。自宅で家族に囲まれて死に様を見せながらの最期も考え抜いた上だったのでしょう」

 100冊の中には長女の也哉子、内田裕也の著書もしっかり選ばれていた。書評の切り抜きも挟み込まれていたという。詩集、インタビュー集、自費出版の刊行物もあった。1970年代のベストセラー、吉野せい『洟をたらした神』の一説、

《なげくな たかぶるな ふそくがたりするな
 なまなましいくりごとは、唇を縫いつけて恥いっぱいでかき消そう》

 も雑記帳に書き留められていた。椎根さんは今回、樹木さんの遺した100冊と彼女とのエピソードを『希林のコトダマ』(芸術新聞社)にまとめた。

関連記事

トピックス

中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
【独占直撃】元フジテレビアナAさんが中居正広氏側の“反論”に胸中告白「これまで聞いていた内容と違うので困惑しています…」
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中、2人は
《憔悴の永野芽郁と夜の日比谷でニアミス》不倫騒動の田中圭が舞台終了後に直行した意外な帰宅先は
NEWSポストセブン
富山県アパートで「メンズエステ」と称し、客に性的なサービスを提供したとして、富山大学の准教授・滝谷弘容疑者(49)らが逮捕(HPより)
《現役女子大生も在籍か》富山大・准教授が逮捕 月1000万円売り上げる“裏オプあり”の違法メンエス 18歳セラピストも…〈95%以上が地元の女性〉が売り
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
〈シ◯ブ中なわけねいだろwww〉レースクイーンにグラビア…レーサム元会長と覚醒剤で逮捕された美女共犯者・奥本美穂容疑者(32)の“輝かしい経歴”と“スピリチュアルなSNS”
NEWSポストセブン
永野芽郁のCMについに“降板ドミノ”
《永野芽郁はゲッソリ》ついに始まった“CM降板ドミノ” ラジオ収録はスタッフが“厳戒態勢”も、懸念される「本人の憔悴」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
日本人メジャーリーガーの扉を開けた村上雅則氏(時事通信フォト)
《通訳なしで渡米》大谷翔平が活躍する土台を作った“日本人初メジャーリーガー”が明かす「60年前のMLB」
NEWSポストセブン
スタッフの対応に批判が殺到する事態に(Xより)
《“シュシュ女”ネット上の誹謗中傷は名誉毀損に》K-POPフェスで韓流ファンの怒りをかった女性スタッフに同情の声…運営会社は「勤務態度に不適切な点があった」
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(時事通信社/読者提供)
《動機は教育虐待》「3階建ての立派な豪邸にアパート経営も…」戸田佳孝容疑者(43)の“裕福な家庭環境”【東大前駅・無差別切りつけ】
NEWSポストセブン
未成年の少女を誘拐したうえ、わいせつな行為に及んだとして、無職・高橋光夢容疑者(22)らが逮捕(知人提供/時事通信フォト)
《10代前半少女に不同意わいせつ》「薬漬けで吐血して…」「女装してパキッてた」“トー横のパンダ”高橋光夢容疑者(22)の“危ない素顔”
NEWSポストセブン
“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン