今、コロナ禍の中、多くのバラエティ番組が、思考錯誤しながら放送を続けている。そんななか、工夫をこらして視聴者を飽きさせない番組作りが際立っているのが日本テレビだ。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが、他局とは違う“日テレ式”について解説する。
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新型コロナウイルスの感染拡大でテレビ番組の収録が難しくなり、ゴールデンタイムですら再放送が大半を占める苦境に陥ってしまいました。ネット上には「再放送だらけ」という嘆きや、「今は仕方ない」というあきらめの声が目立つ中、日本テレビのバラエティが他局とは明らかな差を見せて話題を集めています。
たとえば、4日の『深イイ話』は、羽鳥慎一さん、今田耕司さん、福田充徳さん、高田秋さんの全員が自宅からリモート出演し、私物を公開しながらクイズに答える「おうちで答えて密着クイズ」を放送。クイズのVTRは過去の放送を再編集したものですが、むしろ興味を引く工夫が施されていました。
同じ4日の『月曜から夜ふかし』は、「MCのマツコ・デラックスと村上信五が登場すらせず電話の声のみだけで出演する」という離れ業。画面右上に「コロナ感染拡大防止のため音声のみでお届けします。」の文字が表示され、“株主優待の桐谷さん”をはじめとする人気キャラにテレビ電話で「どんな自粛生活をしているのか」を尋ねる企画を放送しました。
5日の『火曜サプライズ』は、街ロケ番組のため最も苦戦が予想されていましたが、「日テレ朝の顔トリオ食リポバトル」題して桝太一アナ、青木源太アナ、辻岡義堂アナが別々でリモート出演。看板アナ3人が絶品デリバリーを紹介するコーナーを放送し、さらにウエンツ瑛士さんがテレビ電話で芸能人と会話する「サプライズテレフォン」を新企画としてスタートさせました。
同じ5日の『世界仰天ニュース』は、MCの笑福亭鶴瓶さんと中居正広さんのみが特設スタジオに登場し、ゲストの山下智久さんと古市憲寿さんはリモート出演。テーマを感染症に絞って数多くのエピソードを放送しました。また、番組の最後に、家庭での笑えるハプニングを家族みんなで再現して送る「家庭で起きた仰天ニュース大賞」の募集をはじめるなど、新たな動きを見せています。
同じ5日の『ウチのガヤがすみません!』は、「自宅からリモートおもてなしSP」と題して、10組のガヤ芸人が全員自宅からネタを披露。さらに次回は「リモートモノマネ選手権」も放送されるなど積極的な姿勢が見られます。
6日の『有吉の壁』は、有吉弘行さんと佐藤栞里さんなどが副音声で裏側解説をしたほか、Twitterで投票1位のキャラが復活する「ブレイク芸人総選挙」を放送。前回、芸人たちが自宅で捨て身の芸を披露するリモートネタ見せのコーナーがあったことも含めて、ここまで最もアイディアを凝らした番組となっています。