巣ごもり生活のお伴ということなのだろう、コンビニやスーパーでは、テレビで紹介された人気冷凍食品が売り切れる事態になっている。
冷食の取材に携わって38年、“冷食おばさん”こと冷凍食品ジャーナリストの山本純子氏がこう話す。
「毎年、新たに発売される家庭用の新商品は、年間300品目以上あります。その中で近年のトレンドは、従来のような『お弁当向け』や『子供向け』ではなく、チャーハンやパスタ、うどんなどの主食やシューマイや餃子などのおかず、さらにはお酒のツマミといった『大人を満足させられるもの』にシフトしてきている。
また、シニア層や女性のおひとりさまを意識した少量サイズの商品ラインアップも増えました。特に冷凍めんの美味しさは目を見張るものがあります。乾燥めんや生めんより美味しいと認める人は多い」
一般社団法人日本冷凍めん協会の調べによると、2019年の冷凍めんの生産食数は18億5223万食にものぼる。なぜこんなにも冷食が支持されるようになったのか。
「いまやどのメーカーも最新の急速冷凍機を導入しており、品質が向上しました。また、マイナス18℃以下のまま運輸・配送できるようにもなり、保存料なども必要ありません。加えて、メーカーが素材にこだわるようになってきています。『美味しくなった』といわれる背景には、メーカーのたゆまぬ努力があるのです」(山本氏)
撮影■岩本 朗
※週刊ポスト2020年5月22・29日号