今年のゴールデンウィーク(GW)は全国の観光地が閑散とする異例の事態となった。神社仏閣も例外ではなく、「拝観停止」を決めたところも多かった。そんな中、“リモート参拝”が活況だという。
その筆頭が、奈良の大仏で有名な東大寺だ。ネット動画配信サイト「ニコニコ動画」で、4月11日に疫病退散の法要を生配信。19日以降、大仏殿内の様子を24時間生放送している。
福井県あわら市の真宗大谷派吉崎別院では、江戸時代から続く伝統行事で、浄土真宗中興の祖・蓮如をしのぶ「蓮如忌」(4月23日~29日)をネット配信。例年の提灯行列を中止するなど規模を縮小する代わりに、近隣住民は中継画面越しに参拝した。
「ウェブ法事」を行なう寺院も登場した。富山常楽寺(富山市)の住職・今小路覚淳氏が語る。
「人と直接会うことがためらわれる社会の状況を考えて、4月から“ウェブ法事”の受付を始めました。5月1日に初めてネットで法事動画を中断すると、門徒の方から『毎月頼みたいくらい』という声もいただきました。今後は法要だけでなく、法話や生活相談など、お寺でもネットの利用が増えていくと思います」
神様、仏様がパソコンやスマホを介して現われる時代になる?
※週刊ポスト2020年5月22・29日号