芸能

伊藤英明、「面白い」を徹底的にやる姿勢 過去モジモジくんも

『麒麟がくる』に出演している伊藤英明

 NHK大河ドラマ『麒麟がくる』には多くの実力派俳優が出演しているが、伊藤英明も演技力が光る1人だ。伊藤はこれまで数多くのドラマ、映画で幅広い役柄を演じ、その実力を発揮してきた。そんな伊藤の魅力についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 大河ドラマ『麒麟がくる』では、斎藤道三(本木雅弘)が、ついに息子の高政(義龍・伊藤英明)に討たれてしまった。これまで邪魔者を毒殺したり、追放したり、嫌な空気と妖気まで感じさせてきた本木“マムシ”道三。いい役だ。

 だが、マムシパパを殺すことになる高政(義龍)も、ドラマとしてはとても面白い役というのも忘れちゃいけない。油売り商人の子から成り上がった父に対するコンプレックス、母がもともと土岐家の頼芸の側室だったという過去、父は頼芸だと信じたい自分、弟たちも暗殺した自分、屈折屈折また屈折。のんきな若殿とは一味違う苦悩を表現できるおいしい役といっていい。

 今後、高政は、妹の帰蝶(川口春奈)の夫である織田信長(染谷将太)と対決することになる。伊藤英明VS染谷将太といえば、2012年の映画『悪の教典』や2014年の映画『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』を思い出す人も多いはず。伊藤は『悪の教典』では殺人鬼、『WOOD~』ではやる気もないのに林業研修に参加したチャラ男(染谷)をしごく林業の鬼のような教官。『麒麟』では染谷がどう逆襲するか? 見ものだ。

 もうひとつ興味深いのは、伊藤が、2005年の長編ドラマ『国盗り物語』で織田信長を演じていること。このドラマは、斎藤道三が北大路欣也、義龍・倉田てつを、光秀・渡部篤郎という配役だった。信長も母親から疎まれ、弟を誅殺するなど屈折アリアリ男。だが、スケールもタイプも違う信長、義龍両方を演じたという俳優は珍しい。

 思えば、今年はドラマ『病室で念仏を唱えないでください』で、僧侶にして救急救命医と大忙しの松本照円(照之)を演じていた。彼もまた小学生時代に友人を目の前で亡くした過去を持つ。さらに公開延期となった新作映画『燃えよ剣』では、「死に損なった」と挫折感を抱え、暴れまわる芹沢鴨。「ヒジカタ~!」とわめきながら大胆な剣さばきで土方歳三(岡田准一)らと対立する。なお、伊藤はドラマ『輪違屋糸里』では、土方歳三を演じている。芹沢と土方両方というのもなかなかすごい。

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン