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9月入学実現なら卒業ソングどうなる? まさかTUBE台頭か

夏の甲子園の扱いも難しい(時事通信フォト)

 卒業式の歌といえば『仰げば尊し』というのは昔の話。多くの歌手が「卒業」をテーマに名曲を輩出したなかで、森山直太朗の『さくら』をはじめ、「卒業ソングといえば桜」というイメージがすっかり定着した。

 だが、新型コロナウイルスの感染拡大で休校が続く中、東京・大阪の両知事らの猛プッシュもあって急浮上している「9月入学」が実現するとなれば、卒業するのは初夏。もしかして、TUBEの『シーズン・イン・ザ・サン』『あー夏休み』みたいな、夏を題材としたアップテンポな歌が卒業ソングになるのだろうか……。

「実は、夏にも卒業イメージにハマる歌がいくつもあるんです」と語るのは、業界きっての“卒業ソングフリーク”で音楽評論家の冨田明宏氏だ。冨田氏が続ける。

「儚さとか終わりをイメージできるのは、『花火』や『夏祭り』など。賑やかで楽しかったものが終わってしまうという寂しさは、卒業のイメージとセットになりやすい。

 井上陽水の『少年時代』あたりは、懐かしさや日本の原風景とともに卒業ソングとして歌い継がれるようになるかもしれません。初夏ではありませんが、森山直太朗の歌でも、『夏の終わり』は、夏の情景の美しさ、終わってしまう切なさといった感情がこめられています」

 これから新たに登場する卒業ソングでは、桜ではなく、“夏の風情”がテーマに歌われることになりそうだ。

「花なら、金木犀がテーマにされるのでしょうか。いずれにしても、『4月入学』と『9月入学』では、大きな世代間ギャップが生まれそう。10年、20年後には『昔は卒業といえば桜でね……』と年配者が説明しなきゃいけない時代がくるかもしれません」(冨田氏)

※週刊ポスト2020年5月22・29日号

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