コロナ禍による撮影延期が理由とはいえ、思いのほか数字を取っているドラマの再放送。だが、視聴率が見込まれたとしても何でも放送できるわけでなく、各局が頭を悩ませているのだという。
事件や事故のために、ドラマが“お蔵入り”になっているケースもある。
木村拓哉主演の『ギフト』(1997年・フジテレビ系 最高視聴率23.0%)は、キムタク演じる記憶喪失の男が、不良少年だった過去を捨て去り、新たな自分へと生まれ変わる姿を描いた作品。
「1998年に再放送されたが、その放送中に13歳の男子中学生が女性教諭を刺殺する事件が起きた。この中学生は『キムタクがバタフライナイフを振り回しているのがカッコよかった』と供述したため、急遽、オンエアが中止に。その後一度も再放送されていない」(テレビ誌記者)
同じく元SMAPの草なぎ剛が主演した『フードファイト』(2000年・日本テレビ系 最高視聴率21.5%)も、実際に起きた事故が再放送に影響を与えているという。
「主人公が大食い賭博ゲームに参戦する物語なのですが、2002年に愛知県で中学生がパンの早食い競争で喉を詰まらせ窒息死する事故が起きた。これを機に各局で早食い企画が見直されたため、『フードファイト』も再放送リストに上がることはなくなった」(日テレ関係者)
※週刊ポスト2020年5月22・29日号