緊急事態宣言の解除が進み、ようやくコロナの収束ムードが漂ってきたが、街が元の活気を取り戻すまでには程遠い。自粛期間中、特に風当たりが強かったパチンコ店は、今どんな状況にあるのか──。パチンコライターの河原みのりが、コロナショックで経営が行き詰まったパチンコ店のベテラン店長に話を聞いた。
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4月7日の緊急事態宣言からもうすぐ2か月が経とうとしている。早いような遅いような、不安定な時間が過ぎる中で、まだまだ油断のならない日々が続いています。完全にこの騒動が収まるのはいったいいつになるのか、自粛明けも自身の仕事や暮らしがどうなるのか……先の見えない未来にもどかしい毎日を過ごしている方も多いことでしょう。
専門誌のライターとして私が身を寄せるパチンコ・パチスロの世界もまた、業界全体に甚大な被害が及び、すでに路頭に迷い始めている人もたくさん存在します。ですが、娯楽業界の一部としては、この状況を仕方のない事として受け止めるしかありません。
パチンコ店の休業に伴い、それに関わるいろいろな業種が苦しい状態にありますが、今回、その渦中にあるパチンコ店店長、知人のM氏に話を聞くことができました。
「お店への新型コロナウイルスの影響が目に見えて出始めたのは、3月の最終週あたりからです。データを見てもお客様の滞在時間が明らかに減り、稼働ピークの時間帯がかなり狭くなりました」(M氏/以下カッコ内は同氏)
小規模ながらも関東にある2店舗を長年営業してきたお店の店長は、厳しい現状をこう語ります。
「正直、うちは元々資金繰りが苦しい状態が続いていて、ここ最近はずっと赤字。銀行返済もギリギリで利息のみを支払っている状況なので、どの道先は長くありませんでした。が、そこにコロナ騒動が出てきて……急にお先真っ暗です」
年々締め付けが強くなる機械規制、それに加えて機械代の高騰など、小さなお店がそれなりの営業をしていくには体力がないと難しい現状にあります。
最近の新台はほとんどのメーカーが1台40万円以上が当たり前。中古台をメインにしたとしても、さらに毎月のテナント料や、3~4人の社員と十数名のアルバイトの人件費、その他もろもろ諸経費や返済金を考えると首が回らないそうです。