国際情報

韓国で告発の慰安婦支援団体元代表、「パラサイト」と揶揄も

元慰安婦による告発後、初めて行われた水曜集会。報道陣も多く詰めかけた(EPA=時事)

 韓国で“第2の曹国(チョ・グク)事件”と呼ばれる騒動が起きている。剥いても剥いても疑惑が出てくることから「タマネギ男」と呼ばれた曹国・元法相の再来のように、疑惑が次々に噴出しているのである。これは、元慰安婦の韓国人女性が、これまで運動をともにしてきた市民団体とその前代表の現職国会議員を告発したことがきっかけだった。ソウル在住ジャーナリストの藤原修平氏が報告する。

 * * *
 韓国の“正しい歴史”に、激震が走っている。ことの発端は、5月7日に大邱市で開かれた記者会見だった。元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さんが、これまで30年にわたり活動をともにしてきた支援団体である正義記憶連帯(韓国挺身隊問題対策協議会=挺対協から名称変更。以下「正義連」)と、2005年からその代表を務めた尹美香(ユン・ミヒャン)氏を告発したのだ。

 李さんは、正義連が主催する元日本大使館前で毎週水曜日に開かれる抗議集会(以下、水曜集会)にもたびたび姿を見せ、日本政府からのいわゆる「公的謝罪」を要求してきた人物としても知られている。今回の告発のなかで衝撃を呼んだのが、その水曜集会で集められた寄付金が「どこに使われたのかわからない」という指摘だ。

 5月15日にはソウル西部地検が正義連と尹氏に対する捜査に着手した。正義連は2016年からの4年間に、女性家族部や教育部(部は日本の省に相当)、ソウル市から総額13億4308万ウォン(約1億1770万円)の補助金を受け取っている。年別に見てみると、2016年は1600万ウォンだったが、翌2017年にはその10倍近い1億5000万ウォン、2018年は4億3000万ウォン、2019年は7億4708万ウォンと、文在寅政権になった2017年から毎年補助金の額が飛躍的に増大している。にもかかわらず、2017年から2019年まで国税庁に提出した資料では、補助金は受け取っていないことになっているというのだ。

 尹氏自身の所得をめぐる疑念もある。尹氏は4月に行われた総選挙で与党の比例政党「共に市民党」候補として当選したばかりだが、出馬にあたり中央選挙管理委員会に申告した所得税の額は、夫の分と合わせて640万ウォン(約55万円)だった。韓国紙「朝鮮日報」は5月11日付の記事で、会計士のコメントとして、「申告された所得税から推定すると、年収は多く見積もっても、夫婦合わせて年収5000万ウォン(約434万円)にすぎない」と報じている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

幕内優勝力士に贈られる福島県知事賞で米1トンが
「令和のコメ不足」の最中でも“優勝したら米1トン”! 大相撲優勝力士に贈られる副賞のコメが消費される驚異のスピード
NEWSポストセブン
愛子さま
愛子さま、日赤への“出社”にこだわる背景に“悠仁さまへの配慮” 「将来の天皇」をめぐって不必要に比較されることを避けたい意向か
女性セブン
「学園祭の女王」の異名を取った田中美奈子(写真/ロケットパンチ)
田中美奈子が語る“学園祭の女王”時代 東大生の印象について「コミュニケーションスキルが高く、キラキラ輝いていた」
週刊ポスト
羽生結弦(時事通信フォト)の元妻・末延麻裕子さん(Facebookより)
【“なかった”ことに】羽生結弦の元妻「消された出会いのきっかけ」に込めた覚悟
NEWSポストセブン
目覚ましテレビの人気コーナー「きょうのわんこ」(HPより)
『めざましテレビ』名物コーナー「きょうのわんこ」出演犬が“撮影後に謎の急死”のSNS投稿が拡散 疑問の声や誹謗中傷が飛び交う事態に
女性セブン
シャトレーゼのケーキを提供している疑惑のカフェ(シャトレーゼHPより)
【無許可でケーキを提供か】疑惑の京都人気観光地のカフェ、中国人系オーナーが運営か シャトレーゼ側は「弊社のブランドを著しく傷つける」とコメント 内偵調査経て「弊社の製品で間違いない」
NEWSポストセブン
神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝『旅サラダ』残り2週間》謹慎中のKAT-TUN中丸雄一、番組復帰の予定なしで「卒業回出演ピンチ」レギュラー降板の危機も
NEWSポストセブン
小泉進次郎氏・滝川クリステル夫妻の出産祝いが永田町で話題
小泉進次郎夫妻のベテラン議員への“出産祝い”が永田町で話題 中身は「長男が着ていたとみられるベビー服や使用感のあるよだれかけ」、フランス流のエコな発想か
女性セブン
稽古は2部制。午前中は器具を使って敏捷性などを鍛える瞬発系トレーニングを行なう。将来的には専任コーチをつけたいという
元関脇・嘉風の中村親方、角界の慣習にとらわれない部屋運営と指導法 笑い声が飛び交う稽古は週休2日制「親方の威厳で縛らず、信頼で縛りたい」
週刊ポスト
柏木由紀と交際中のすがちゃん最高No. 1
《柏木由紀の熱愛相手》「小学生から父親のナンパアシスト」すがちゃん最高No.1“チャラ男の壮絶すぎる半生”
NEWSポストセブン
今年8月で分裂抗争10年目を迎える。写真は六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「宅配業者を装って射殺」六代目山口組弘道会が池田組に銃口を向けた背景 「ラーメン組長」射殺事件の復讐か
NEWSポストセブン
小泉進次郎元環境相と妻の滝川クリステルさん(時事通信フォト)
滝川クリステルの旧習にとらわれない姿勢 選挙区の横須賀では「一度も顔を見せないのはどうか」の声、小泉進次郎氏は「それぞれの人間性を大事にしていきたい」
女性セブン