大都市・名古屋がありながらも、東京・大阪と比べると、どこか地味なイメージを持たれがちな愛知県。それが新型コロナウイルスの流行以来、ネットで注目を集める地域となっている。ニュースの見出しにまでなった「俺コロナ」によって注目を集める愛知県の存在感について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が考察する。
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ネットにおける各都道府県の偏見的なものは毎度盛り上がる。群馬県の場合は「未開の地グンマー」という言葉があり、発展途上国に住む部族の写真とともに「グンマーの実情」などと書かれる。
大阪は「大阪民国」で東京は「トンキン」と書かれ、民度の低さをバカにされる。民度の低さといっても「やたらと行列ができる」「電車が混んでいる」「犯罪が多い」といった人口の多さに伴うものが多いのだが、その他の地域の人々からこの2大都市はバカにされている。
今回のコロナ禍で一躍脚光を浴びたのが愛知である。何しろ「俺コロナ」と店や役所で言う男が続出したのである。愛知のメディアが特にこの手の騒動が好きで進んで報じた可能性はあるものの、他の都道府県と比べて明らかに「俺コロナ男」の発生件数が多いのである。
匿名掲示板・5ちゃんねるでは愛知のこうした例がまとめられている。「★2020 愛知コロナ」と題されたこのまとめは、日々更新されて、5月16日現在、14件が紹介されている。
1つ目は「03/04 蒲郡 比パブ『コロナをばらまいてやる』比嬢感染→本人コロナ死(50代 男)」である。テレビでも散々取り上げられたが、開店時刻前にフィリピンパブを訪れ、入口のソファーで寝転がった後、接客する従業員と濃厚接触をしてカラオケをした男性のことだ。その後警察が捜査に動いたものの彼は死んだ。以後、「03/29 名古屋駅前 ビックカメラ『コロナビーム』(42歳 男)」を経て最新が「05/15名古屋 中川区『俺はコロナだ、コロナばらまくぞ』と息を吹きかけ隣人脅迫(54歳 男 バイト)」等の例が次々と挙げられた。