新型コロナウイルスの感染拡大は今なお収束には至っていない。5月に入ってから最高気温が25℃を超す夏日が続いている。強い日差しの中、マスクをつけるという例年見ることのない格好で外出するのが「新しい生活様式」になったようだ。
気温の上昇とともに、もうそろそろ憂鬱な梅雨がやってくる。インフルエンザウイルスを含め、一般的にウイルスは高温多湿に弱いとされる。梅雨に入れば新型コロナの感染リスクも低くなることが期待されるが、未知のウイルスだけにはっきりしない。
米マサチューセッツ工科大学大学院の研究者は「高温と湿気は新型コロナの感染速度をやや低下させることができても、パンデミックは夏の天気だけでは消滅しない可能性が高い」と警告する。
新型コロナが蔓延してから初めて迎える梅雨と夏。意外なところに危険も潜んでいる。
◆子供のマスクのつけ外しに注意
「この夏は感染予防とともに、マスク着用による熱中症に気をつけなければいけません」
そう話すのは医師でジャーナリストの森田豊さんだ。
「夏に長時間マスクをつけると、暖かい空気を吸い込むことによって体に熱がこもりやすくなります。また、マスクをつけた状態で呼吸をすると、肺の周囲の肋間筋などを活発に動かすことになるので体内で多くの熱が作られ、熱中症の危険性を高めてしまう。マスクをするとこまめな水分補給を怠りがちになるので、さらにリスクが高まります」
中国ではマスクをつけて体育の授業を受けた学生が急死する事例が多発しているので要注意。苦しさを感じたら躊躇なく外すべきだ。
「屋外の場合、周囲に人がいなければマスクを外しても大丈夫です。その際、ウイルスで汚染されているマスクの表面は触らず、片耳のひもを触って外すのが基本であることを忘れないようにしてください」(森田さん)
◆汗を拭くときはタオルより使い捨てペーパータオル