いま、顔を合わせて話すことがいかに大切で必要かを、みんなが感じ始めている。そこで注目されるのが、パソコンやスマホの画面で顔を見ながら話せるオンラインミーティング。いまや地域コミュニティー、家族や友人同士の新たな交流方法になりつつある。
とはいえ、中高年のアナログ世代には、未知の世界に踏み込むためのちょっとした勇気も必要だ。オンラインの力を介護、福祉分野にも生かすべく尽力している認知症フレンドリージャパン・イニシアチブの岡田誠さんに聞いた。
◆顔を見て話すことで通じ合って心が動く
命を守るために人と接触せず、大切な交流ができる。オンラインミーティングはいままさに必要とされるツールだ。
「顔を見て話すというのは、思っている以上に大きな効果があるのです。相手の表情や雰囲気から“伝わったかな”“共感できたかな”と感じながら話せるのは何より安心」と言う岡田さん。
主宰する認知症フレンドリージャパン・イニシアチブではすでに2年以上前から、『DFJI-Zoomカフェ』も開催している。
「会うために出向くことに比べて時間や場所の制約がなく、遠方の人とも気軽に、そして1つのテーマでじっくり話せるのも大きな利点です。
直接、面識のない人同士でも昔からの仲間のような絆が生まれるのも、オンラインならではでしょう。“自粛中、運動はどうしてる?”などと、お互いの生活の工夫を共有し合うのもまた楽しいのです」
在宅で親の介護をしながら、ベッドのかたわらから参加するのを楽しみにする人、遠距離で老親を見守る家族など、コロナ禍に限らずオンラインのニーズは大きいようだ。
参加者の1人、宮城県仙台在住の若年性認知症当事者、丹野智文さんは海外の当事者ともZoomで対話。同じ立場同士、通訳してくれる人を介しても盛り上がるという。コミュニケーションの可能性はますます広がっているのだ。
◆難しく考えずにまず前進あるのみ!
オンラインでの交流は魅力的だが、“複雑なデジタルの世界、私には無理だ”と、踏み出す前にあきらめてしまう人も少なくないだろう。
若いスマホ世代と違って、中高年はこの苦手意識が何かと障壁になりがちだ。