芸能

藤田まこと「当たり前田のクラッカー」はアドリブだった

あの流行語はアドリブだった(時事通信フォト)

 1950年代後半、関西局制作のバラエティ番組の数々が全国のお茶の間を沸かせていた。最高視聴率62.3%を記録した『番頭はんと丁稚どん』(1959~1961年、毎日放送)の大ヒットを受けて朝日放送で始まった『てなもんや三度笠』(1962~1968年)は、最高視聴率64.8%を記録し“お化け番組”と呼ばれた。大阪府在住の自営業男性(72)はこう振り返る。

「当時は小学生でしたが、『てなもんや』はよく覚えています。あんかけの時次郎(藤田まこと)と小坊主の珍念(白木みのる)が、大阪から全国への旅路でドタバタに巻き込まれる設定で、2人の冴えない感じが面白かった。

 藤田さんが“俺がこんなに強いのも、当たり前田のクラッカー”と見得を切るが、道中でバカをやって“馬面”呼ばわりされる(笑い)。白木さんがボーイソプラノの甲高い声でツッコむ小生意気な役柄も人気でした。財津一郎さんの“非っ常にキビシーッ”“許してチョーダイッ”のギャグを学校で真似していた」

 同番組のプロデューサーを務めた澤田隆治氏(87)が語る。

「財津さんのギャグは、何度も何度も誇張して繰り返すことで、視聴者に覚えてもらおうと意識していました。藤田さんの“当たり前田のクラッカー”も、台本になかったアドリブ。スタッフが考えたダジャレを舞台で試してウケたから採用された。当時の大阪のテレビ局は新人を積極的に起用したこともあり、新鮮なギャグが飛び交う活気ある番組になっていた」

※週刊ポスト2020年6月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者(44)が現行犯逮捕された
「『キャー!!』って尋常じゃない声が断続的に続いて…」事故直前、サービスエリアに響いた謎の奇声 “不思議な行動”が次々と発覚、薬物検査も実施へ 【広末涼子逮捕】
NEWSポストセブン
再再婚が噂される鳥羽氏(右)
《芸能活動自粛の広末涼子》鳥羽周作シェフが水面下で進めていた「新たな生活」 1月に運営会社の代表取締役に復帰も…事故に無言つらぬく現在
NEWSポストセブン
「居酒屋で女将をしている。来てください」と明かした尾野真千子
居酒屋勤務を告白の尾野真千子、「女優」と「女将」の“二足のわらじ” 実際に店を訪れた人が語る“働きぶり”、常連客とお酒を飲むことも
週刊ポスト
運転中の広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
《広末涼子の男性同乗者》事故を起こしたジープは“自称マネージャー”のクルマだった「独立直後から彼女を支える関係」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
《病院の中をウロウロ…挙動不審》広末涼子容疑者、逮捕前に「薬コンプリート!」「あーー逃げたい」など体調不良を吐露していた苦悩…看護師の左足を蹴る
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン