TBSといえば、雨宮塔子、進藤晶子、小林麻耶、青木裕子、田中みな実、宇垣美里など、これまで数多くの人気女子アナを輩出してきた名門。TBSの女子アナの個性を語る上で外すことができない要素が「ラジオ」だ。女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏は、「ラジオがフリー転身後の成功につながっている」と語る。
「TBSは在京キー局で唯一ラジオ局を自社で運営しているため、開局以来、女子アナがラジオの仕事を数多くこなしています。これは他局にはない特徴です。TBSラジオは久米宏さんや大沢悠里さん、生島ヒロシさんといった人気パーソナリティがたくさんいて番組を盛り上げていた。そこでアシスタントとして大御所と絡むことでフリートークを学んだり、人気を獲得していく場になった」
その走りとなったのが、新人時代に『大沢悠里ののんびりワイド』に出演していた吉川美代子アナだ。
「新人だった吉川さんは当時“TBSの松坂慶子”と呼ばれて世間から持ち上げられていましたが、大沢さんはそれをもじって“TBSの松阪牛”とあだ名をつけてイジっていた。これがリスナーに浸透し、人気獲得に一役買ったのです。
また、ラジオはテレビより自由ですから当然下ネタも振られます。特にこの番組は『お色気大賞』なんてコーナーがあったくらいですから。吉川アナは“あれで下ネタに免疫ができた”と語っています。小島慶子アナのラジオも女子アナらしからぬ毒のある個性が受けていました。そうしたタレント的な経験が、その後の活躍に活きています」
丸山氏が次に“来る”と予想するのが古谷有美アナ。
「とんねるずの木梨憲武さんとの生放送に遅刻したことが、不名誉ながら全国区のニュースになりました。それをきっかけに知名度がアップし、最近ではエッセイ本の出版や伊勢丹とコラボした洋服のプロデュースまでしている。フリー転身を予感させますね」
◆取材・文/河合桃子 写真/ロケットパンチ
※週刊ポスト2020年6月5日号