コロナ禍で多くの地域コミュニティーが休止を余儀なくされている。それでも交流を必要とする高齢者を支えるべく、オンラインを使った場がたくさん登場している。試行錯誤の真っ最中だが、高齢者とオンラインは意外なマッチングがある…?
高齢者、医療者、介護職もオンラインでは立場はフラット。コロナ禍が逆に追い風になり、みんながオンラインで会話するのが当たり前の時代もすぐそこか。2つのコミュニティーを紹介する。
◆SHIGETAハウスプロジェクト(神奈川県・平塚市)
認知症専門医の繁田雅弘さん主宰。認知症の当事者や家族、地域の人が集い、認知症について考え学ぶ場。現在は認知症専門医とともに語らう平塚カフェやウクレレ教室、繁田さんの講座など、オンラインでできることを模索しながら展開していくという。
「平塚カフェでは、画面の向こうでウクレレを奏でる小野武さん(82才)の姿に感激。また緊急企画で開催した東京都立松沢病院院長・齋藤正彦さんの特別講座と繁田さんとの対談には参加者が90人を超えました。まだ接続などに手間取りつつも、オンラインの可能性を感じています」(運営スタッフ・早川景子さん)
◆シニア食堂(千葉県・流山市)
月1回おひとりさまのシニアが一緒に朝食を作って食ベる会が、コロナ禍で急遽オンラインに。卵料理、おにぎりなど毎回のお題に従い作った料理を披露し近況を報告する。現在は2週に1回開催中。
「ほとんどがZoom初心者で、電話で設定支援するところからスタート。開催中、発言者以外の音声はオフにするのが一般的ですが、シニア食堂はいつもオン。戸惑いや不安のつぶやきも丸ごと共有。うまくできないことも楽しんじゃおう!の精神です」(主宰者・松澤花砂さん)
参加者の1人が「元気が出なくて」とつぶやくとすぐに「がんばって!」と声が飛んだ。
※女性セブン2020年6月4日号