芸能

没後2年で振り返る、西城秀樹さんと『ザ・ベストテン』

西城秀樹さんが逝去してから早2年(時事通信フォト)

 歌手・西城秀樹さん(享年63)が2018年5月16日に逝去してから、2年が経った。男性アイドルの道を開拓してきた秀樹さんを惜しむ声は、今も絶えない。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)の中で、公式本にも載っていない人気音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)の年別ランキングデータを集計した芸能研究家の岡野誠氏が、客観的な記録を元に、『ザ・ベストテン』の西城秀樹さんの知られざる功績について綴る(文中敬称略)。

 * * *
 西城秀樹の『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』は1979年4月5日、12日放送の『ザ・ベストテン』(TBS系、1978~1989年放送)で番組史上唯一の満点を叩き出している。同番組はレコード売上、ハガキリクエスト、ラジオ、有線放送の4つのデータを集計し、順位を算出。12年間続いた番組の中で、同じ週に性質の異なる4部門全ての1位獲得は、同曲のみ。当時は開始2年目だったため、スタッフも視聴者も気付いていなかったようだが、時間が進むにつれ、この偉業がクローズアップされ始めた。

 これ以外の記録を見ても、西城秀樹は前半の『ザ・ベストテン』を引っ張っていた。“番組開始時からの連続ランクイン年数”は8年にも及ぶ。これは2位の沢田研二、郷ひろみの5年を抑えて、堂々の1位。約12年間の通算ランクイン数で西城秀樹は6位だが、前半6年間の1983年終了時点では151回で1位だった(2位・松田聖子147回、3位・田原俊彦146回)。

『ザ・ベストテン』が始まった1978年、西城秀樹はデビュー7年目に突入しようとしていた。当時、アイドルの寿命は短かった。2年もオリコンのトップテンに入り続ければ大成功で、20代中盤になると、しきりに『大人への脱皮』を求められた時代である。

 同年、西城秀樹は『ブーツをぬいで朝食を』『ブルースカイブルー』などで年間45回ランクイン。これは沢田研二の49回、ピンクレディーの47回に次いで、山口百恵と並んで同年の3位タイである。 

 翌年、デビュー8年目の西城秀樹は『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』で満点を叩き出し、9週連続1位に輝いた。ほかにも『ホップ・ステップ・ジャンプ』『勇気があれば』でランクイン。年間42回を数え、山口百恵と並んで同年の2位タイだった。

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