緊急事態宣言が解かれても、「急に出歩いていいのだろうか」「もし周りに迷惑をかけてしまったら」と不安は尽きない。そんな中、著名な “アクティブシニア”たちは、コロナ後の世界をどう過ごすのか。歴史学者の小和田哲男氏(76)はYouTuberに挑戦しているという。
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私は本や文献で勉強するだけでなく、直接現地に出向いて、山城などを自分の足で歩いて調査します。しかしここ2~3か月は、そうしたフィールドワークがまったくできていない。
5月12日には、京都市埋蔵文化財研究所が「豊臣秀吉の最後の城が京都で見つかった」と発表した。本来ならすぐに京都に飛んで行きたいところですが、それが叶わず歯がゆい思いをしました。
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の時代考証を務めている関係で、2月まではドラマと関係する地域での講演会が多かったが、それも3月以降はすべてキャンセルになってしまった。3月末から6月末まで、NHKラジオ第2放送の『カルチャーラジオ 歴史再発見』という番組に出ることになったので、今はそこで明智光秀の話をしています。
コロナをきっかけに、仕事のスタイルも新しくなりました。ラジオもテレビも収録は自宅からのリモート出演です。会議や打ち合わせはオンラインで行なっています。
実はつい2週間ほど前から、YouTubeを始めました。『戦国・小和田チャンネル』というタイトルで、戦国時代のことを解説する10分未満の動画をほぼ1日おきに配信しています。
私はそういったパソコン上の作業に関してはチンプンカンプンですが、娘がそういうことに慣れていてサポートしてくれるので助かっています。