緊急事態宣言は解除されたものの、引き続き私たちができることは不要不急の外出を控えること。そんないまだからこそ、充実したおうち時間を過ごすために自宅で映画鑑賞はどうですか? 女優・風吹ジュン(68才)に人生を変えた映画を紹介してもらった。
●人生を変えた映画
『存在のない子供たち』(Blu-ray&DVD好評発売中 Blu-ray4800円)
発売元:キノフィルムズ/木下グループ
販売元:ハピネット・メディアマーケティング
【あらすじ】
わずか12才で裁判を起こした主人公の少年・ゼイン。訴えた相手は、なんと自分の両親。裁判長から「何の罪で?」と聞かれたゼインは、まっすぐ前を見つめてこう答えた。「僕を産んだ罪」――中東の貧民窟に生まれ、出生届も出されていない少年を襲う“現実”とは。
──この作品を見て、人生はどう変わりましたか?
「ステイホーム期間に鑑賞して、心を動かされた作品です。ジャンルは社会派ですが、ある意味、未知の冒険ドラマのようだと感じました。中東の貧困、移民問題について、ただその世界を“覗く”のではなく、監督が現実ときちんと“向き合って”作られた作品です。
日本で普通に暮らしているだけでは知ることがなかった、中東の人々の暮らし。現在日本にもさまざまな不幸、苦労、不安がうずまく現状ですが、この作品に登場するそれぞれが人間らしくあり、私たちも優しい心や希望、そして愛をしっかり持っていれば、きっとこの迷路のような日々にも終わりがくる…。この映画を見ていると、そう感じます」
──特におすすめのシーンやセリフは?
「冒頭のタイトルシーンで映る空撮の景色が、モザイクアートのようで圧巻!『なんだ、これは?』と、一気に映画の世界に吸い込まれました」
●風吹さんおススメ…この2作品も見逃せない!
『ザ・ライダー』(各配信サイトにて好評配信中 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
事故で頭部に大けがを負ったカウボーイのブレイディ。なんとか一命はとりとめたものの、体を蝕む後遺症の恐怖と、捨てきれないロデオへの思いの狭間でもがき苦しむ。そんな彼が、新たなアイデンティティーと生きることの意味を見つける物語。
『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』(Netflix映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』独占配信中)
アメフト男子のポールに頼まれてラブレターの代筆をすることになった、成績優秀な女子高生・エリー。でも彼女の心は複雑。なぜなら、エリーもポールと同じ女の子が好きだから! まったく新しい三角関係の青春ストーリー。
【プロフィール】
風吹ジュン(ふぶき・じゅん)/1952年5月12日生まれの女優。近年の主な出演作はドラマ『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日)。第74回毎日映画コンクール・田中絹代賞受賞(2019年度)。近著に『Wind』(宝島社)。
※女性セブン2020年6月18日号