「羽を伸ばせる」日々がまもなくやってくる。国が宿泊費用の一部を負担する助成プロジェクトの発表もあり、この夏は旅行のチャンスといえる。
しかし、今年は“穴場”の考え方が変わる。例年、人気観光地の大混雑は避けられないが、今年だけの「穴場スポット」がたくさんある。旅行ジャーナリストの村田和子氏が挙げるのは、山梨県の富士五湖だ。
「ここ数年、特に夏場は毎年外国人観光客で溢れ、湖を周遊するバスは並んでも乗れず、山中湖で運行する『水陸両用バス』も予約が難しい混雑ぶりでした。今年は快適に利用できると思います」
瀬戸内海エリアにも魅力がある。
「なかでも牛窓(岡山県)は“日本のエーゲ海”と呼ばれており、海に浮ぶ島々の景色は息をのむ美しさです。欧米からの観光客に大人気のスポットですが、今年は静かに絶景を楽しむチャンスとなりそうです。
瀬戸内国際芸術祭が3年に1度開かれているように、一帯は“アートの島”が多く、上質のリゾートホテルもある。フェリーで瀬戸内海の島をめぐれば、ゆっくりと芸術を楽しめます」(村田氏)
コロナ以降、長距離移動をせず、地元や周辺地域の旅行を楽しむ「マイクロツーリズム」という考え方も広がってきている。ホテル評論家の瀧澤信秋氏がいう。
「各地で地元住民向けのサービスを拡充する観光施設が増えてきています。この機会に近場の観光地に目を向けてみるのもいいかもしれません。東京近郊の人なら高尾山や奥多摩もいいでしょう」
※週刊ポスト2020年6月12・19日号